ディベート道場 | アーギュメント | 田村洋一

このエントリーをはてなブックマークに追加

第5回 アーギュメントと立証

 

ディベート道場(セルフトレーニングコース含む)申し込みの方にはパスワードを発行できます。
お申し込みはこちらから

 

 

アーギュメントを考える

 

 

◆基礎稽古
シャドウイングの稽古
朗読されたものを耳で聞きながら口で繰り返す、という単純な稽古です。稽古の目的は、相手の言っていることをひと言も漏らさずに聴き、聴きながら同時に議論内容を再生する、そのプロセスによって耳と口と頭を鍛えることです。

 

ステップ1 朗読されたものを機械的にそのままリピートする。
ポイント
・意味を考えないで聞こえた音をひたすらリピートしていく

 

ステップ2 朗読されたものを言葉のフレーズでとらえてリピートする。
ポイント
・意味のまとまりをとらえてひたすらリピートしていく

 

ステップ3 朗読されたものを議論のまとまりでとらえてリピートする。
ポイント
・主張、データ、ワラントをとらえてリピートしていく

 

ディベートに習熟した人は、相手が行ったことを瞬間的に理解して反論することができます。しかしこれをそのまま真似してはいけません。相手の主張を理解しないまま、瞬間的に反論しても「ああ言えばこう言う」という意味のない言葉の応酬になってしまいます。相手の言うことを理解せずに議論を進めても、相手の言うことを誤解したまま議論を続けることになり不毛な議論が続くだけです。これではディベートする意味がありません。まずは聞き取り書き取りをできるようにする。そしてそれらをきちんと理解できるレベルまで稽古しましょう。それから議論のまとまりをとらえて、必要なら反論できることを目指しましょう。このステップをとばさないことです。

 

Q:「聴いてると喋れない、喋ると聴けない。私は聴いてるとわかろうとしてしまう。わかろうとすると喋ることが難しい。ふたつのことを同時にできない。これは個人の学習スタイルによるんでしょうか」

 

A:学習スタイルは関係ありません。稽古と慣れの問題です。慣れない人がいきなりこれをできないのは当然なのです。

 

車の運転をしながら隣の人と会話をすることはできますか。もちろんできます。車の運転に慣れた人なら、完全に安全運転しながら同時に難しい会話をすることができます。ふたつのことを同時に行うことができるのです。それは慣れているからです。

 

習うより慣れろ。

 

車の運転を習いたてで慣れていない人が、運転中に話しかけられると運転に集中できない、というのと同じです。

 

シャドウィング稽古で聴きながら同時に喋ることに慣れると、頭の中を分解して使うことがたやすくできるようになります。これはもともと同時通訳の訓練方法です。

 

昨日話をしていて思い出したのですが、1984年に初めて間近で同時通訳の様子を目撃したときの衝撃は忘れられません。今はなき斎藤美津子先生の授業で、先生がたしか国際基督教大学の学生を連れてきてブースで同時通訳をさせ、我々生徒に見せてくれたのです。

 

いま喋っている日本語が、ほぼ同時に英語に訳されていく・・・。同時通訳なのですから当たり前のことなのですが、それを我々と歳も風貌も変わらない普通の女子学生が目の前でやっている。どうして聴きながら同時に喋れるのか。天才なのか。才能なのか。

 

そこにいた他の学生たちは英語学科の学生でしたから、英語も日本語も普通に喋れます。しかし日本語を聴きながら同時に英語で喋る、英語を聴きながら同時に日本語で喋る、というのは稽古と慣れがなければ決してできないことでした。

 

しかし1年間訓練していたらある程度できるようになります。誰でもできるようになります。2年間訓練していたらかなりできるようになります。3年間訓練していたら相当できるようになります。その時点でスキルとセンスの高い人はプロとしても活動できるようになります。

 

車の運転を覚えるのが早い人と遅い人がいるように、上達スピードには個人差があります。しかし稽古せずに上達する人はいないし、稽古して上達しない人もいません。稽古と慣れは絶対の必要条件であり、十分条件なのです。

 

私はディベートも同時通訳もある程度できるようになりました。しかしそれは稽古と慣れの賜物なのです。

 

習うより慣れろ。とにかく実践することしかありません。

 

自分の個性だとか癖だとか、学習スタイルだとか性格タイプだとか、そういうことは関係ないのです。

 

◆いい/悪いディベート

 

・議論が衝突(クラッシュ)している
・悪い議論をきちんと叩いている
・終わった後に分からないことがわかる、理解が深まる
・人を攻撃しないで、議論を攻撃している
・新しい発見がある

 

ディベートは試合の前も終わった後も有益。ディベートの試合の前に「何が一番大切な議論なのか」「これは本当に論題に関係ある議論なのか」を検討するのも有意義な時間。ディベートが終わった後に「自分は何を学んだのか」「どうすればもっと上手くできるか」「日常でディベートは何の役に立つのか」を考えることがディベートの果実のひとつ。

 

 

Q:どうでもいい議論がメインになってしまい、大切な議論のやりとりが行われないような試合はいい?悪い?

 

A:大切な議論を見逃さないことが大切。重要な議論を見逃すのは、その議論を攻撃できないディベーターの責任。

 

◆ディベートゲーム

 

1.「これは正しい(だろう)と思うこと」を箇条書きにする。
2.なぜそれは正しいと言えるか立証する。
3.悪魔の代弁人 〜Devil's Advocate
ステップ@聴いて理解する
ステップA反論、批判する

 

 

◆論題の種類
事実論題・価値論題・政策、当為命題の解説
問題の範囲を決めるには?
エビデンスと呼べる基準は?

 

アーギュメントと立証 | ディベート道場 | 田村洋一関連ページ

ディベート入門講座2017
ディベートは秩序立った構造を用いて独りよがりな思考に歯止めをかけます。特別な考え方に頼ることなく、地道で着実な調査と思考と議論によって真実に近づき、意思決定を行うのです。独りよがりの思考を排して議論と対話ができたら、世界はどんなふうに変わるでしょうか。
ディベート道場2017 第1回 基礎稽古とディベートのエッセンス
ディベート道場 第1回 ・基礎稽古「シャドウイング」 ディベートにおいて最初に重要なこと→「正確に聞き取る」 音読する人の声をシャドウイングする ラジオ出演者の声をシャドウイングする シャドウイングしながら「主張」「事実」「理由」を聞き分ける 健全な疑いをかける(分解していく)→反論 ・合理的意思決定のエッセンス 論題「日本は義務教育制度を廃止すべきである」 @ ランダムダウンローディング A 自由会議 B 調査ポイントを列挙する C 初期リサーチ D 立論をでっち上げる 主な立論パターン ・自分のビジョンを考える 1年間ディベート道場を続けて、1年後に何が起こっていたらいいだろうか。イメージを絵にする。 1年後、そこにたどり着くために自分がやりたいアイデアを書き出す。 その中からひとつやることを選んで決断する。3時間後、3週間、3ヶ月後、3年後はどうなるか想像する。
ディベート道場2017 第2回 クリティカルシャドウィング、リサーチ、立論
前半はシャドウィングをやり、クリティカルに聴く稽古をしました。後半はリサーチと立論についてレビューしました。 ◆「クリティカルに聴く」というのは、批判的に聴くことではありません。相手の話を客観的に・構造的に・ビジュアルに聴く方法です。 客観的に・構造的に・ビジュアルに聴くために ・トゥールミンモデル(claim, data, warrant) ・ポリシーモデル(現状の世界・プラン後の世界) ・基本イシュー(重要性・内因性・解決性・コスト) などの道具が使えるのです。これは日常生活で常に使える道具なので、思い出して常に使ってみてください。 そして隠された前提(hidden assumptions)や論理的飛躍(missing links)に気がつく習慣を身につけてください。
ディベート道場2017 BS ターンアラウンド・カウンタープラン
ディベート道場ではカウンタープランという戦術とターンアラウンドという議論の理論と実践を学びます。カウンタープランは否定側の、ターンアラウンドはサイドに関係なく、強力な武器になります。 カウンタープランはディベートの議論ではありません。肯定側のプランに対抗する政策提案です。どんな提案をすれば対抗できるのかについては定石のセオリーがあります。なぜカウンタープランが否定側の強力な戦術となるのか。根本から問い直し、実際にカウンタープランを考えてみます。 ターンアラウンドは、最も「ディベート的」な議論と言えるでしょう。白を黒、黒を白、としてしまう詭弁術を思い浮かべる人すらいます。英語で turn the tables というイディオムがあります。テーブルをひっくり返してしまう、相手の議論を転倒させてしまうのがターンアラウンドです。 どちらも教育ディベートの試合において頻繁に使われています。また、ディベートの試合ではない、通常の思考や対話においてももっともっと使われるべき思考法です。 ◆クリティカルシャドウイングの稽古 ◆教育ディベートでは分析力・創造力・実践力の3つの知力が鍛えられる。 分析しないことにはディベートは始まらない。それは本当なのか。何が本当なのか。証明はあるのか。証拠はあるのか。論拠はあるのか。結論は何なのか。もし本当ならどういうことになるのか。イシューは何か。インパクトは何か。 しかし分析をいつまでもやっていてもディベートにならない。論を創り出さなくてはならない。イマジネーションが要る。インスピレーションが要る。インテグレーションが要る。クリエイティビティが要る。 創造したことを分析し、分析したことを統合する。その行き来がなくてはディベートではない。思いつきやひらめきが大切だ。しかし思いつきやひらめきを思いつきやひらめきのレベルに留めていたら何にもならない。リサーチし、検証し、議論にまで昇華しないとならない。 そして議論をまとめてビシッと提示し、闘わなくてはならない。議論を戦わせて白黒決着をつけなくてはならない。実践的知性が必要だ。 実践的知性が必要なのは試合の局面だけではない。リサーチや作戦においても思い切りが要る。大胆な仮説を掲げたら思い切って調べ、輪郭を与えなくてはならない。いい分析やいい創造を実際に使って結果を出さなくてはならない。 じっくり分析し、どんどん創造し、きっぱり実践する。
ディベート道場2017 第3回 カウンタープラン
◆カウンタープラン カウンタープランの概要 現状のシステム・プラン後のシステム・カウンタープラン後のシステム プランとカウンタープランが互角のときジャッジの判定は…… プリザンプションについて コンディショナルカウンタープラン  ◆演習 1.論題を決める「○○すべきである」  その理由を簡単にあげる 2.クロスイグミザネーション  論題や理由について尋問する 3.カウンタープランのアイデアを出す 4.カウンタープランのアイデアをテストする a)非論題性 b)競合性 c)優位性
ディベート道場2017 第4回 七夕杯
論題 日本は義務教育制度を廃止すべきである。 試合フォーマット 肯定側 第一立論 6分 反対尋問 3分 否定側 第一立論 6分 反対尋問 3分 肯定側 第二立論 6分 反対尋問 3分 否定側 第二立論 6分 反対尋問 3分 否定側 第一反駁 4分 肯定側 第一反駁 4分 否定側 第二反駁 4分 肯定側 第二反駁 4分 準備時間各チーム 8分ずつ (試合所要時間 68分) 本日のジャッジの皆さん 友末優子さん 佐藤義典さん 森川勇治さん STARクラブ七夕杯実行委員長 田村洋一
ディベート道場2017 七夕杯振り返り・Q&Aセッション
◆シャドウイングの稽古 構造できく ・トゥールミンモデル ・ストックイシュー ・現状の延長(Status Quo)とプラン導入後の世界(Alternative Reality) ・フィアット ◆七夕杯振り返り 論題「日本は義務教育制度を廃止すべきである」 ◆Q&Aセッション
ディベート道場2017 第6回 パラダイム
◆ディベートのエッセンスと応用 ディベート的な物の見方や考え方がどのように世界を変えるのか。 ◆シャドウイングの稽古 きく→わかる→構造としてとらえる→反論・議論 このステップを飛ばすと一知半解になり、わかったつもりで自分の無知に気がつかなくなる。 ◆競合するシステムを選択する SQとAP /What if ◆パラダイム ポリシーメイキングパラダイム ストックイシューパラダイム 集団やコミュニティのパラダイムを変える ◆リサーチ プレリサーチ ジェネラルリサーチ フォーカストリサーチ 立論・反論
ディベート道場2017 第7回 クロスイグザミネーション
◆反対尋問の目的 相手の立論に対して尋問することは単なる質疑応答(Q&A)ではない。また、反論や反駁の時間でもない。 ・効果的な反駁ができるように相手の言質をとる ・確認する ・矛盾をつく これに習熟してくると相手の立論に穴や矛盾がある場合は、クロスイグザミネーションで息の根を止めることもできる。
ディベート道場2017 第8回 クリティーク
◆本日のテーマ クリティーク ・クリティークの議論をつぶすにはどうすればいいのか。 ・クリティークの議論で試合に勝つにはどううすればいいのか。 ◆稽古 0.試合の録音を聞いてフローをとる。 1.クリティークの論拠、核となっている部分を特定する。 2.クリティークの議論に対してどのように反駁すればよいか考える。 3.クリティークとはどのような議論なのか、試合に勝てるクリティークはどのようなものなのか。 ※音声の最後に試合の講評を収録しています。

ホーム RSS購読 サイトマップ