反脆弱性 Antifragile | システム思考 | 田村洋一

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反脆弱性 Antifragile

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反脆弱性(反脆さ)というコンセプトに馴染みのある人もいれば初めて聞くという人もいると思います。どちらの人にとってもこれは革命的な学びになりうる概念です。2008年に発足したSTARクラブの歴史の中でも屈指のキー概念になることは間違いありません(他にもカネヴィンフレームワーク、エニアグラムなど画期的なモデルはいくつかありましたが、それらに匹敵するかあるいは凌駕するほどの実践的インパクトがあることでしょう)。

 

【Antifragile反脆弱性とは何か】

 

衝撃を利益に変えるものがある。そういうものは、変動性、ランダム性、無秩序、ストレスにさらされると成長・反映する。そして冒険、リスク、不確実性を愛する。こういう現象はちまたにあふれているというのに。「脆い」のちょうど逆に当たる単語はない。本書ではそれを「反脆い」、または「反脆弱性」と形容しよう。

『反脆弱性』ナシーム・ニコラス・タレブ(ダイヤモンド社)

 

ニコラス・タレブはこの概念で政治経済、自然・環境、医療、死生などありとあらゆることを解き明かしている。ニコラス・タレブはもともと金融トレーダーだった。(トレーディング世界では常識だが)トレーディングは金融相場が上がっても下がっても「変動性」によってお金を稼ぐという数学のゲーム。これは金融という限定された分野だけでなく、現代社会であらゆる分野でもみられる。

 

【反脆弱はレジリエンスやローバストネスなどとどう違うのか】
Triad 三つ組

 

 

「脆い」(フラジリティ)
衝撃に対して壊れてしまう。もとに戻らない。

 

「頑健」(ロバスト)
衝撃に対してびくともしない。堅牢。壊れにくいもの。
(回復する、もとに戻る、レジリエントなどもここに入る)

 

「反脆い」(アンチフラジリティ)
衝撃によってさらに強くなる。
(致命的な衝撃はさける。さらに強くなるためにここまでの衝撃なら大丈夫という一線がある。)

 

 

人間のからだはなぜ反脆いか?

 

人間の身体は何兆という細胞が常に新陳代謝している。細胞が常に死んでは生まれている。新陳代謝のシステムが機能不全になると病気になったりする。これはもっと大きなシステムでも起こっている。たとえばアメリカのシリコンバレーは倒産率が高い。どんどん新しいビジネスが始まっては潰れている。ただそのようにどんどん潰れていく中でも、優秀なイノベーター、ビジネスマン、技術者はまた新しいことを始めてどんどん実験している。カネヴィンフレームワークのsafe failのように複合系で安全な失敗をして学習して新しいものを創造している。倒産率が高いというのは新しいものを生み出す土壌・条件になっている。
ただ注意点は、(1)回復できないような致命的な失敗を避けること(2)システムとして反脆いということは、たくさんの犠牲の上に成り立っているかもしれないということ。(たとえば、シリコンバレーで倒産して失業した人の中には立ち直れない人もいただろうし、一方ではそのような人の失敗に学んで成功する人もいる)

 

【身近にある反脆い(あるいは脆い)システムはどんなものか。】
シェア
「脆い」(フラジリティ)
・ガラス・陶器(衝撃に弱い)

 

「頑健」(ロバスト)
・形状記憶シャツ(もとにもどる)
・大企業(倒産しにくい)
・ホメオスタシス(回復する)

 

「反脆い」(アンチフラジリティ)
・宗教(弾圧によってさらに強くなったもの)
・耐性菌(薬というストレスでさらに強くなる)
・AI(負けると学習して強くなる)
・情報(壊そうとすると広がる)

 

 

【「脆い」「頑健」「反脆い」を分けるもの、変化する基準、それぞれの共通項はなんだろうか。】
シェア
・時間の経過、フェーズ
・回復する時間の長さ
・疲労の蓄積
・環境や文脈
・生きている、有機的である
・学習・再生機能

 

【ジャーナリング】
・自分自身の中(または自分自身の身近なシステム)に備わっている「脆さ」「頑健さ」「反脆さ」は何だろうか。
・自分自身や身近なシステムの「脆さ」「頑健さ」「回復力」が備わっていたら、「脆さ」をどうやって「頑健」にするか、「回復力」を活かしてどうやって「反脆さ」にするか、どうやって「反脆さ」を活かすことができるだろうか。

 

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