プロセスコンサルテーション | システム思考 | 田村洋一

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プロセスコンサルテーションの十則

 

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◇プロセスコンサルテーションの十則レビュー

 

1.常に力になろうとせよ
2.常に目の前のリアリティと接触せよ
3.無知にアクセスせよ
4.何をしても介入となる
5.クライアントが問題を所有し、解決を所有する
6.流れに逆らわない
7.タイミングが命
8.臨機応変にチャンスを活かすこと(対決的介入)
9.全てはデータ 間違いは常に起こり、学習の主たる源泉である
10.迷ったら相談せよ

 

 

◇演習
「戦略思考研修の提案」デモ演習

 

振り返り
・プロセスコンサルテーションの見地から何が起こっていたか考える。
(コンサルタントはどのようなロールと介入方法をとっていたか、クライアントとコンサルタントの関係性はどうだったか)
・プロセスコンサルテーションの十則に照らして何が言えるか考える。
(デモ演習の内容の他にどのような介入があり得るか)

 

 

シェア
・コントラクトで常に力になることをクライアントに伝える、わかってもらう(セールスに来たのではない)。
→良い関係性を築く。

 

・沈黙が何を教えてくれているか考える。
→無知にアクセスすることでどのような介入があり得るかガイドとなるかもしれない

 

・無知にアクセスするテクニック。
→10「迷ったら相談せよ」と組み合わせる。迷ったらクライアントに聞く、シェアする。

 

・沈黙を破るのも介入。
→コンサルタントは問題のオーナーではない。クライアントに対して問題(あるいは解決)を所有する意思を確認する必要があるかもしれない。

 

・チャンスがあれば対決的介入を試みる。
→対決的というのは相手を攻撃することではない。何かを生みだすチャンス。

 

・わかっていることもわからないことも共有する。
→迷ったら相談する。

 

◇二人一組で演習を行う

 

 

エドガー・シャインのプロセスコンサルテーションという方法に出会って20年が経ちます。コンサルティングのやり方とコンサルタントとしての在り方をずっと教えてくれているシステムとして、私にとってこれに代わるものもなければこれを超えるものもありません。

 

STARクラブ(システム思考実践研究会)ではエドガー・シャイン氏自身による講義に耳を傾け、

 

・プロセスコンサルテーションとは何か
・なぜプロセスコンサルテーションが必要なのか
・どうやってプロセスコンサルテーションを行うのか
・プロセスコンサルテーションにおける4つの介入タイプ
・プロセスコンサルテーションにおける3つの役割
・役割と介入方法を選ぶための2つのポイント
・チームワークにおけるプロセスコンサルテーション

 

について学び、3ヶ月目の今月はプロセスコンサルテーションのエッセンスをシャイン氏が言語化した十則をレビューしました。

 

メンバーがシェアしてくれたコンサルテーションの事例を題材にロールプレイを行い、

 

1.何が起こっていたのかの観察
2.何が起こり得るかの考察

 

を行いました。

 

今夜のケースは、想定していなかったクライアントの異例の沈黙に対して、どんな効果的な介入が可能なのか、というよくある難題を含むものでした。

 

プロセスコンサルテーションにおいてattentive silence、注意を向けた沈黙は重要な時間です。一方で、クライアントが何らかの理由で自分の気持ちや考えを充分にコンサルタントに伝えられないための沈黙が訪れたとしたら、援助者としてのコンサルタントにはどういう介入オプションがあるのでしょうか。

 

コンサルタントとクライアントの関係に非対称性があり、自分を一段低い社会的位置にいると認識しているためにクライアントが沈黙していたとしたら、その場合に援助者(コンサルタント)はどうやって被援助者(クライアント)との関係をより均衡した対等な信頼関係に近づけ、より効果的な援助を施すことができるのでしょうか。

 

いろいろとクリエイティブなアプローチがあるなか、

 

・目の前のリアリティに接する
・己の無知にアクセスする
・迷ったときは相談する
・建設的機会主義で対決する

 

などのプロセスコンサルテーション原則から、クライアントに助言を求めるというプロセスコンサルタントの常套手段も紹介されました。相手の助言や助力、主観や意見を求めるということによって、コンサルタントは自分をより弱い立場に降りていき、クライアントと均衡のとれた援助関係に近づくのです。

 

さらにもうひとつ、驚くほど多くのコンサルタント(援助者)が直面する難題がひとつあります。

 

それは、アイデンティティ問題です。

 

「クライアントに助言を求める? とんでもない。コンサルタントはクライアントに助言を与えるからこそ報酬を受け取れるのだ。わからないからクライアントに尋ねるなんていうみっともないことはできない。そんな醜態を晒すことはコンサルタントの恥だ…」

 

驚くほど多くの援助者(コンサルタント)がこういう思い込みを無意識のうちに胸中に抱いています。

 

自分が「知らない」「わからない」「助けが必要だ」ということを開示できない。自分は「知っている」「わかっている」「助けを必要としない」援助者であるというアイデンティティに囚われているのです。

 

このアイデンティティ病(メンタルモデルの特徴的要素)に無自覚なままだと、どんなにプロセスコンサルテーションのエッセンスを学んでも実際の現場で活かすことができません。

 

アイデンティティ問題については引き続き実践テーマのひとつとして見ていきたいと思います。

 

サンタフェ通信3月23日より

プロセスコンサルテーション | 10の原則 | 田村洋一関連ページ

緊張構造 structural tension
創り出す・structural tensionstructural tensionと創造 ▼structural tensionと創造 ▼visionを描く練習をする
創造と葛藤
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緊張構造を自分の中に統合する
structural tension の使い方 創造的活動の共通の原理 ・visionとrealityの両方を押さえるとtensionが発生する ・両方を押さえないと何も始まらない ・visionはchoiceする、commitするとうまく行かない
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緊張構造を使いこなす この数ヶ月間の振り返りをjournaling→dialogue→discussion
葛藤から創造へ
自分の望ましい未来の成果をつくり出す→人間は活性化する。 「自分がつくり出したいビジョン」 「まだビジョンが実現していないリアリティ」というふたつのポイントがあるとテンションが生まれる。この緊張構造でビジョンはつくり出させる。 しかし、この普遍的で誰でも使えそうなメソッドをなかなか活かせない場合や状況が存在する。この原因を考えるときヒントになるのが今月のテーマである「コンフリクト」。 構造的緊張は何か物事をつくりだす原因になるが、構造的葛藤や対立状況はつくったものが元に戻ってしまうという循環を引き起こす(ダイエットのリバウンドなど)。
葛藤(conflict)をプロセス(process)する
「コンフリクト」(対立、軋轢、葛藤)は一般的には嫌なもの。日本は特に“和をもって尊しとなす”ということで、コンフリクトが起きないようにしたり、コンフリクトを遠ざけたりする。ところが皮肉なことに、プロセスワークを学んだ人たちは、わざわざコンフリクトをつくって楽しんだり、コンフリクトに喜んで近づいたりすることがある。いざとなればコンフリクトはいい関係をつくる下地になる。コンフリクトはネガティブな側面もあるが、そこからポジティブなものをつくり出すことができる。これがプロセスワークも有効な使い道のひとつ。この考え方を学んで、自分で実践することは誰でもできる。コンフリクトが起きても、それを活用してクリエイティングすることをライフスタイルできる。
葛藤(conflict)をライフスタイルにする
対立や軋轢が表面化したとき何が起こるか? 起こりやすいパターンは…… ・フリーズ 何もできずフリーズしてしまう。たとえば、鹿が道を横断しようとしたら、目の前に急に車が迫りびっくりしてフリーズするようなもの。コンフリクトに対して心や身体の準備ができていないときにフリーズするのはよくあること。あるいは、恐怖を避けるために逃げることもある。
反脆弱性 Antifragile
★Antifragile反脆弱性とは何か “衝撃を利益に変えるものがある。そういうものは、変動性、ランダム性、無秩序、ストレスにさらされると成長・反映する。そして冒険、リスク、不確実性を愛する。こういう現象はちまたにあふれているというのに。「脆い」のちょうど逆に当たる単語はない。本書ではそれを「反脆い」、または「反脆弱性」と形容しよう。” 『反脆弱性』ナシーム・ニコラス・タレブ(ダイヤモンド社)
Antifragile〜オプションを創出する
オプションを創出する 1.One on One で脆さ、頑健さを観察する。 企業のIT部門のケース 上司と部下が一対一で話す。その内容から脆さ、頑健さを観察する。 その脆さと頑健さはどこからくるのか? 細かく分解して観察する。 2.オプションを創出 組織のリスクを減らすオプション、組織の機会や発展をより大きくするオプションは何か。 案をとにかく出すこと。(採用してもしなくてもいい) 3.反脆さを発見する
Antifragile〜バーベル戦略
バーベル戦略 バーベル戦略とはこんなやり方だ。黒い白鳥のせいで、自分が予測の誤りに左右されるのがわかっており、かつ、ほとんどの「リスク測度」には欠陥があると認めるなら、とるべき戦略は、可能な限り超保守的かつ超積極的になることであり、ちょっと積極的だったり、ちょっと保守的だったりする戦略ではない。「中ぐらいのリスク」の投資対象にお金を賭けるのではなく、お金の一部、たとえば85%から90%をものすごく安全な資産に投資する。たとえばアメリカ短期国債みたいな、この星でみつけられる中で一番安全な資産に投資する。残りの10%から15%はものすごく投機的な賭けに投じる。(オプションみたいに)あらん限りのレバレッジのかかった投資、できればベンチャー・キャピタル流のポートフォリオがいい。 『ブラック・スワン[下]―不確実性とリスクの本質』より
CLEAN LANGUAGE クリーン・ランゲージ
CLEAN LANGUAGE クリーン・ランゲージ (グロビアン・クリーン・ランゲージ) 心理学者ディヴィッド・グロブが自らの経験と創意工夫で開発したコミュニケーション技法。 クライアントの世界を汚染せず、クライアントの思考や感情を象徴するナラティブをクライアント自身が直接的に体験することで気づきや変容をうながす。
CLEAN LANGUAGE クリーン・ランゲージ (2)
1.クリーン・ランゲージとは クライアントの内面から出てきた言葉、イメージ(ランゲージ)だけを使う手法 カウンセラー、コーチ、セラピスト、ファシリテーターのランゲージは使わない。 2.クリーン・ランゲージの2大原則 認知論的メタファーとクリーンな質問体系 3.クリーン・セッションの進め方 a)Location 場所 b)Develop 発展(「現像」ともいえるのではないか=フィルムのネガを現像するとだんだん姿が現れてくるイメージ) c)Mature 成長 4.クリーン・ランゲージを使う理由・根拠は クライアントの情報を汚さない。 (クライアント情報をヘルパーの信条、前提、主観的な解釈などによって再構築して汚さないようにデザインされている) 5.クリーン質問の2つの主機能は a)Develop 発展 b)Mature 成長
CLEAN LANGUAGE クリーン・ランゲージ (3)
◆クリーン・ランゲージをどのように使うか? わかりやすいのはコーチング。5分程度のコーチングでも使える。 クリーン・ランゲージは深くて広く効果的なツール体系だが、自分が習得できたレベルで使うことができる。 ◆クリーンランゲージ10の秘訣 The Five Minute Coach: Improve Performance RapidlyMay 30, 2012 by Lynne Cooper and Mariette Castellino より @注意をクライアントのみに分ける Aクリーン質問だけを使う B普通の会話のルールは無視する Cオウム返しする D文法を無視する Eメモを取る Fアイコンタクトは制限する Gはげます H声を自覚的に使う I落ち着いてやる
プロセスコンサルテーション
プロセスコンサルテーションは、その名の通りコンサルテーションの技法であり、従来の一般的コンサルテーションであったコンテンツそのもののコンサルテーションからradicalな離脱を遂げた体系。もともとはコンサルタントのための方法。特に組織コンサルティングにとってプロセスコンサルテーションは類まれな示唆を与えてくれる。
プロセスコンサルテーション チームワークにおける援助
鍵となる命題 チームワークにおける援助 プロセスコンサルテーションの原則 ポイント ・上司と部下のふたりしかいなくてもチームである。 ・互いに援助できる手助けをする。 ・クライアントだけが問題とその解決法を所有している。 ・原則1 援助者になること。援助者を決めるのはクライアント。 ・原則2 押しつけず、導く。失敗しても自分を責めずに学びに変えること。 ・常に「わからない」からスタートすること

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