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プロセスコンサルテーションの探究と応用

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◇『プロセスコンサルテーション』E.H.シャイン(白桃書房)まえがきより

 

私は最初1969年にプロセス・コンサルテーションを書いたが、それは、私が組織のクライアントとともにしている仕事を、研究仲間に真から理解してもらえていないという不満の気持からであった。今あらためて私は、コンサ ルティングでの同僚や、私が手を差し延べようとしている管理者たちが、いまだにプロセス・コンサルテーションの本質を理解していないという不満を抱いている。プロセス・コンサルテーションとは、初期の頃型にはまって受け取られたような、集団で働くための技術とか一連の介入といったものではない。それは、たんに組織的な環境に適用される非指示的カウンセリングのモデルでもない。それは、ひとつの職業やフルタイムの仕事ではない。むしろそれは「援助すること」の哲学であり、いかにして支援的になるかの技術 ないしは手口なのである。

援助は、われわれの友人、配偶者、子ども、同僚、上司、部下、さらには人生のさまざまな状況で見知らぬ人からさえも求められるのである。プロセス・コンサルテーションの哲学が関係してくるのは、援助が求められているとわれわれが感じたり、あるいは面と向かって援助を求められている時である。しかし、援助することを職業としているすべての人々が学んできたことであるが、援助を必要としていることを人が認めたり、援助が差し延べられた時にそれを受け入れるのが容易でないのと同様に、援助を与えるのもまた容易ではないことが分かった。それゆえ、プロセス・コンサルテーションを理解するためには、援助関係のダイナミクスについて今まで以上に心理学的または社会学的な洞察を持つことが必要である。
この本の以前の版を書いた時点では、私は、援助を与えたり受けたりすることについて読者は当然多くのことを理解しているものと考えていた。しかし、私の学生やクライアントや同僚に一番欠けているのはまさにその領域であることに気づいた。この改訂版のことを考えはじめたとき、援助しようとしてきた40年間の経験によって私は援助のプロセスそのものについていくらか新しい展望を持つに至ったことに気づいた。そのため私は考え直して、これまで出した2冊の著書の3訂版を書く代わりに援助関係のもっと一般的なモデルの創出をとくに目指す新しい本を書くことにしたのである。この本で用いられている素材の多くは以前の2冊の著書から引用されているが、この本は全体的にまとめなおしてある。今後も組織的変化、学習、リーダーシップ、集団間力動、その他組織開発それ自体に関わるトピックに関して, このような素材を使って続編を書く余地が残してある。この本では,私はコ ンサルタントとクライアントの1対1での、また小グループでの関係に、よりいっそう焦点を当てている。私の意図は、組織のコンサルタントが何をするかということだけでなく、あらゆる種類の援助のためのモデルを提供することである。治療者、ソーシャルワーカー、高校のカウンセラー、コーチ、親、友達、管理者、そして援助しようとしている人なら誰にとっても、これは役に立つアイデアであり、ガイドラインであり、原則となるはずである。
ある人が援助を必要とし求めるとき、援助者と「クライアント」のあいだには困難を伴うダイナミクスが生じる。というのは援助者は自動的に専門家 の役割を演じさせられるからである。援助者はクライアントに欠けている何かを備え持っており、その何かを授けたり、保留して置いたりの権限を付与されているはずだということが、暗黙の前提となっている。このために援助者が自らを専門家とみなすようになるばかりでなく、援助者が自動的にクライアントに対して有力な位置についてしまうことになる。この最初の不均衡 の関係こそが、実際に援助を提供する際にわれわれが理解し評価し、扱わなければならない、心理的なダイナミクスの源なのである。
同時に、援助を求めたり受けたり与えたりすることが何を意味するのかという文化的なダイナミクスのため、とりわけそれらが通常の文化的許容範囲を越えているような率直でオープンな態度である場合は、援助するという関係の社会学的なダイナミクスを理解することが必要となる。この著書において、私は臨床心理学と社会心理学ばかりか社会学や人類学をも含む私のこれまでの経歴から、より広い視野を持つ見方をひとつにまとめることができた。
言い換えれば、私はこの著書において、心理学的、社会学的ダイナミクスを踏まえて、援助することの一般的な理論と方法論を探求しようとしているのである。それを表わす概念と方法を選ぶに当たっては、さまざまな場面での40年間の体験が反映されている。ここに述べた概念と方法が読者にとっても助けになれば幸甚である。

 

マサチューセッツ州ケンブリッジにて

 

E. H.S.

 

 

◇演習
いかに援助するかに思いを巡らせる

 

ジャーナリング
@ここ数日誰かがあなたに助言を求めたことは何か。

 

Aその相談のときどのような役割を選択したか。専門家、医師、プロセスコンサルタント

 

B相手は何を求めていたのか。違うアプローチの可能性はあったか。

 

二人一組になって、自分の事例を話し、話したことに対する相手の反応を分析する。
役割を交代して、相手の話しに反応する。

 

誰かが援助を求めたり、自問自答したりする場合、自然に、自発的に選択しているらしい役割について思いを巡らせる。

 

◇演習
組織変革に悩む部長のケース

 

 

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