トンデモ本を読むべき理由 | 田村洋一 | サンタフェ通信

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トンデモ本を読むべき理由

アレクサンダーテクニークを口実にディベートのリサーチをしていると、普通は読まないような本を読むことにもなります。専門書や業界誌などならともかく、いわゆるトンデモ本やキワモノの類です。

 

トンデモ本を渉猟するべき理由は、少なくとも三つあります。

 

まず、一次資料として読む。これは非常に重要です。

 

もしヘイトスピーチについて調べていたなら、ヘイトスピーチについて書かれた文献を読むだけでは不充分です。ヘイトスピーチそのものだと評される書物に直接当たるべきです。ヘイトスピーチを唱導している人物が出している書物があったなら必ず読みます。もし精神異常者について調べていたなら、精神異常者自身が著した書物を入手します。佐川一政(パリ人肉事件の犯人)にまつわるリサーチをしていたならば、佐川氏自身の著書を読む。「読む」というよりも研究する(study)と言うべきかもしれませんが。

 

ふたつめに、トンデモ本は玉石混淆であり、情報の宝庫だからです。

 

一般社会から離れたコミュニティにこそ真実が眠っていることは頻繁にあります。一般社会や当世の権力者にとって都合の悪い情報だから故に周縁化されているのやもしれない。「都合の悪い真実」と言われるものがそれです。

 

ただし言うまでもなく周縁化されているからといって真実であるというわけではありません。トンデモ本の多くはガセネタです。ゴア氏の著作(本人が書いたかライターが書いたか知らないが)の「不都合な真実」などは、全編通してガセネタのオンパレードです。

 

三つめの重要な理由は、読んでみるまでは本当にトンデモ本かどうかがわからないからです。

 

ベンジャミン・フルフォードという物書きを知っていますか。知らない人はこの人のことを狂人と思うかもしれません。読んでみればわかるのですが、極めて筋の通った真っ当な人です。

 

中丸薫、苫米地英人、渡部昇一などのような著者のことを、キワモノ・ゲテモノと思って敬遠している読者もいるでしょう。自分の目で見て、自分の頭で確かめることを薦めます。

 

さて、以上はディベートのリサーチの話です。

 

以下はディベート以外に当てはまる話です。

 

私たちはたいてい、世間の主流から外れることを好みません。なかには傍流や周縁に属することを嫌う人もいます。他人から変人と思われたくない人は多い。普通でいたいと言う人も多い。

 

しかし、世間の主流が何だと言うのでしょう。そんなことは生きていくうえでの重要事項ではありません。もし世間が間違っていたなら世間が間違っていたのです。真実とは関係ない。

 

真実を嗤う者は真実に泣く。

 

自分の目で見て、自分の頭で考えて、自分の身体で確かめる。

 

これに勝る生き方があるでしょうか。

 

ディベート精神は、世間に迎合するよりも、世界の真実に立脚することの大切さを教えてくれます。

 

私はそう思っています。

 

サンタフェ通信11月27日より一部抜粋しています。


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