誤った二分法(False dichotomy) | 田村洋一 | サンタフェ通信

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誤った二分法(False dichotomy)

 

 AかBか、と false dichotomy を問うのは古今東西の詐欺師の常套手段です。実際にはAでもなくBでもない、たくさんの選択肢があることを忘れさせるのです。

 

 False dichotomy はそこらじゅうに蔓延しています。片っ端から疑ってかかるのがいいでしょう。

 

 例えば「あなたは内向的性格か、それとも外向的性格か」と聞かれました。

 

 どちらだと思いますか。

 

 実はどちらでもないのです。私は内向的でもなく外向的でもありません。周りの環境によって変化し、どちらの性格とも断定できないのです。

 

 世の中には内向的でかつ外向的な人物もいます。私の友人でとくちゃんという人が典型です。彼は内向性が高いと同時に外向性も高いのです。私と違って環境に左右されるのでなく、自分中心に両方の性格を持っているのです。

 

 ですからユングのタイプ論を基礎とした性格分類(MBTI、マイヤーズブリッグズタイプなど)はこの時点でアウトです。私やとくちゃんを分類することができないからです。

 

 こういう false dichotomy に引っかからないためには論理学の基礎を学ぶ必要がありますね。わりと簡単なことです。でもあいにく学んでいる人は少ないのです。

 

 

 追記: 論理的思考とファシリテーション

 

 2003年に執筆した「なぜあの人だと話がまとまるのか」の中で「論理的思考を高めてもファシリテーションができるわけではない」と書きました。

 

 当時は、ロジカルシンキングのトレーニングが流行り出してしばらく経った頃でした。論理的思考を駆使するばかりではファシリテーションはできるようになりません。感情を読むことや空気を読むことや直観に耳を傾けることや、意図的に論理を手放すことについて学ぶ必要があります。

 

 しかしながら、論理的な思考の基本は押さえておかないと、論理を手放して超えていくことはおぼつかない。

 

 その意味で2003年と今とでは私の問題意識はかなり変わっています。

 

 

サンタフェ通信11月15日号より一部抜粋しています。


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