何のための組織か | オブジェクティビズム | 田村洋一

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何のための組織か

2003年頃からイノベーション戦略の企業人教育プログラムで「人と組織」というコースを担当しています。もともと The human side of managing innovation と言って、イノベーションマネジメントの人間的側面を扱った教育プログラムです。

 

先日のトピックはまさにイノベーションのマネジメントだったのですが、その中で、

 

「人が主であり、組織が従である」

 

という発言がありました。つまり、人が生き生きと創造的に仕事をするための舞台や道具立てとして組織があるのだという視点です。イノベーターを生み出すために組織が存在しているというのです。

 

ところが、それに対してすぐに「素晴らしい理想だが、実際にはどうか」という発言がありました。

 

企業や役所などの組織に属して仕事をしてきた人なら誰でもこの「理想と現実の間のギャップ」に直面し、悩んだ経験を持っていることでしょう。

 

自分ひとりでは成し遂げられない偉業を成し遂げるためにこそ組織がある。ところがいつの間にか自分のために組織があるのではなく、自分が組織に従属して仕事をしている。

 

いや、人によっては最初から組織に従う仕事の仕方しかしていないという人だっているかもしれません。もともと大きな組織が存在していて、そこに自分が入れてもらい、生かしてもらっているのだと。

 

スティーブ・ジョブズがいみじくも述懐しているように「自分が作った会社に追い出される」という屈辱的な経験をすることだってあります。

 

いったい人はなぜ組織で仕事をするのでしょうか。

 

オブジェクティビズム(客観主義: アイン・ランドの哲学)の回答は明白です。

 

組織が人の自由と主体性を奪うとき、その組織は自分が生きることを妨げる障碍です。

 

人は自分よりも大きな組織に奉仕するために生きているのではありません。それが大企業であれ、国家であれ、国際機関であれ、組織は自分を生かすものでなければなりません。

 

利他主義に毒された倫理意識は、組織が自分に害する存在になっていても、それを排除することができなくなっています。

 

何のために組織に属して仕事をしているのでしょうか。

 

自問自答してみてください。

 

(続く)

 

サンタフェ通信2月26日より一部抜粋しています。


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