まず自分自身が変化する | システム思考 | 田村洋一

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まず自分自身が変化する

何か悪いことが起こったとき、とっさに「自分のせいかな」と思うでしょうか。それとも「自分のせいじゃない」と思うでしょうか。何か良いことが起こったときはどうでしょうか。

 

東山紀之さんがテレビ番組で「石につまずいたら石のせいにする」と言っていました。これを聞いて私は、「あ、自分と同じ傾向の人だ」と思いました。私は自分のせいにする前に自分の外側に原因があるのではないかと思ってしまうたちです。

 

逆の人もいます。何かがあるとすぐに自分のせいにするのです。「自分が何か悪いことをしたんじゃないか」と自動的に思ってしまう。「考えすぎだよ」と言っても、これも癖なのでなかなか治りません。

 

何かあるとすぐに他人のせいにする人もいます。「犯人」や「悪者」を探し出してそいつらのせいにしてしまう。会社組織の中でもよく見ることです。特定の個人や特定の部署に責任を押しつける。もちろん当人には他人に罪をなすりつけている自覚はありません。事実として悪者や犯人がいると思い込んでいるのです。

 

多くの物事は、当事者の思惑を超えた場のシステムの力によって生じています。システム思考の実践においては、そのことをできるだけ客観的に観察しようとします。

 

私の師匠でもあるロバート・フリッツはこの力のことを「構造の力」と呼び、「構造に逆らえる人間はいない」と言います。例えていえば重力のようなもの。地球上で暮らす以上は重力に逆らうことはできない。母なる構造を無視して「自分のせい」とか「あいつのせい」とか言っても無意味なことです。

 

システム思考を実践するからといって全てをシステム構造に還元するわけではありません。

 

全てを状況のシステムのせいにして自分は蚊帳の外と思ってしまっては間違いです。「自分自身もシステム構造の一部」なのです。自分もシステムに参加していて、システムから影響を受けるだけではなく、システムに影響を与えていて、システム構造の維持に貢献しているのです。

 

物事が悪くなるのも良くなるのも、特定の誰かだけが原因ではなく、自分を含む状況のシステム構造が原因なのです。それがわかると、自分が変わることでシステムが変わることがあるということに気づきます。

 

「世界を変えようと思うならまず自分自身がその変化になることだ」とマハトマ・ガンジーは言いました。

 

いま世界はどのように悪くなっているのでしょうか。良くなっているのでしょうか。その世界に自分はどのように参加しているのでしょうか。どのように影響を与えているのでしょうか。

 

自問自答してみてください。

 

サンタフェ通信6月24日より一部抜粋しています。


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