ディベート思考の応用実践 | 田村洋一

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ディベート思考の応用実践

競技ディベートはゲームです。スポーツのようなものです。だから勝っても負けても誰も傷つかないし、後腐れもありません(ほとんどの場合)。

 

競技ディベート、別名教育ディベートは、自己教育のためにやるものです。自分を教育するためにやるのです。ちょうどスポーツが心身を鍛えるように、ディベートも心身を鍛えます。強い頭、強い心を育てる活動です。

 

ディベートで学んだことを世にため人のために役立てようとしゃかりきになる必要はありません。スポーツのように楽しみ、ついでに自分の心身を鍛え、自分を教育するだけでいいのです。

 

でも、せっかく学んだディベート的思考ですから、実生活や仕事で活かすことを考えるのも一興です。

 

私の場合、例えばこんな感じです。

 

イギリスがEU離脱を選択した。多くの人が愚かな選択だと断じ、愚民政治の帰結だと論じました。果たしてそうなのでしょうか。

 

もしかしたら、離脱こそが正しい道かもしれません。

 

あえてそう思って、離脱こそが正しい道だと考えながら数日を過ごします。そうするとその手の情報がたくさん入ってきます。そうしたらその手の思考にしばらくつきあうのです。離脱派の考えと感情にどっぷり浸かるのです。

 

そして「離脱こそが正しい道かもしれない」と思えてきたら、次の日から残留派の考えに鞍替えします。残留こそが正しい道ではないか、と思って暮らすのです。そうするとその手の情報がたくさん入ってくる。今度は離脱派の考えと感情にどっぷり浸かって暮らします。

 

これを繰り返します。

 

だんだん知識が増えてきたら今度は1日ごとに繰り返します。さらに情報が増えてきたら、朝は離脱派、夜は残留派の考えと感情に浸って過ごします。

 

そのうちに敵の考えも味方の考えもよくわかるようになり、敵の気持ちも味方の気持ちもよくわかるようになってきます。

 

決断を下すのはそれからでいいのです。

 

慣れてきたら最初から一日置き、または半日置きで転換したらいいでしょう。

 

「お前は朝は離脱と言っていたのに夜は残留と言っている。一体どっちなんだ?」と聞かれるようになるくらい両極端を行き来するのです。

 

そのくらいやらないと、どちらかの偏見に染まってしまいがちです。そうなると敵の気持ちも味方の気持ちもよくわからなくなってしまうでしょう。

 

サンタフェ通信7月8日より一部抜粋しています。


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