思考と対話を徹底するディベート | 田村洋一

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思考と対話を徹底するディベート

ディベートの訓練によって可能になるものの筆頭は、徹底した思考、しかも意思決定のための思考です。

 

複雑化する現代社会において常に求められるのが、厳しい決断をする力です。しかもその決断は、難しい課題を多くの関係者と共有し、対話や議論を重ねた上で下されなければならないものです。

 

教育ディベートでは、その題材として公共政策の課題を議論することを想定します。多くの市民が影響を受ける政策決定を、多面的・全面的に吟味し、分析し、調査し、討議するのです。

 

ディベートの訓練は、こうした公共政策の専門家のためだけに行われるのではありません。現代社会に生きる我々は例外なく、人生の他の場面でも難しい意思決定を迫られることが少なくありません。仕事、家庭、人間関係、地域社会、世界や環境との関わり方など、徹底的に考え、とことん議論し、そして厳しい決断を下さねばならない場面は少なくないのです。

 

一方、ディベートはまるでスポーツのようなゲームでもあります。

 

どんなに課題が難しいからといってスポーツ選手は眉間にしわを寄せて難しい顔をしてプレイをしません。むしろ逆です。難しい課題の連続を、一流のアスリートはこともなげに受け入れ、優れた技術やひらめきによって解決していきます。

 

ディベートはスポーツのように楽しく、面白いものです。

 

考えてもみてください。ディベート甲子園に出場する中学生や高校生、英語ディベートで日本の国家政策を論じる大学生たちは、政策のプロでもないのに、世界の先端問題や解決困難な課題について調査分析し、大会で議論を戦わせて試合をしています。

 

ディベートの試合は現実問題のシミュレーションです。現実世界で容易な解決が見つからない課題について、ディベートでは制限なしに想像力を働かせ、どこまでも深く分析や議論を重ね、試合ごとに結論を出していくのです。

 

そのプロセスは徹底的な思考と対話、分析と意思決定のトレーニングです。

 

2012年にスタートしたディベート道場では、学生時代にディベートの訓練を受けなかった一般の社会人を中心とした参加者どうしでディベートを学び、ディベートを自分の仕事や人生に役立てています。

 

サンタフェ通信7月22日より一部抜粋しています。


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