大局観 | システム思考 | ファシリテーション

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一刻を争う仕事があります。今すぐに何とかしなければならない。そのために東奔西走し、檄を飛ばし、人を動かし、全神経を集中する。

 

20代から30代の多くをそうして過ごしてきました。

 

今でもそういう時期はなくはありません。一分一秒を争うとまでは行かずとも、目の前の締め切りのために全力を注ぎ、少しでも早く終わらせないと間に合わない。

 

こういう仕事のスタイルのために身についたものがたくさんあります。

 

そのうちの最たるものは、できるだけ無駄なことをしないことです。

 

急いでいない仕事の場合、丁寧にやる、きちんとやるという意識のためにたくさんの無駄なことをしています。いわば遊びが多い仕事です。時間がたっぷりあるときは遊ぶ余裕があるのですから、大いにいろいろ試して遊べばいいのです。

 

急ぎの仕事の場合は遊んでいる暇がありません。必要最小限の要件を見極め、狙いを定めて実行します。極限まで無駄を減らすことが成否を分けます。

 

もうひとつ重要なことは、大所高所から見る癖です。

 

一刻を争う仕事の場合、複数のタスクのコンフリクトを何とかせねばなりません。Aさんが急いでいて、Bさんが急いでいて、Cさんも急いでいる場合、全員を等しく優先していたら全員が間に合わないかもしれません。速やかに判断して選択せねばなりません。

 

その迅速な判断のために必要なのが大局観です。大局から観察して瞬時に判断すること。

 

十数年前に将棋の羽生名人に「大局観とは何ですか」と質問したことがありました。羽生さんはすかさず「カメラのフォーカスのようなものです」と教えてくれました。

 

瞬時に焦点を定める力。将棋における「読み」(時間をかけた分析)とは対照的に、大局観とは瞬間的な判断を可能にするフォーカスのことだと言うのです。

 

大局観を養うためには「読み」、すなわち時間をかけた分析の訓練が必須です。日頃からじっくりと考え、手間を惜しまずに分析と観察を重ねていくことです。

 

一刻を争う仕事を成功させるためのコツは、一分一秒に惑わされない大局観なのです。

 

 

サンタフェ通信8月27日より一部抜粋しています。

 

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