急ぎながら休む | ディベート | 田村洋一

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急ぎながら休む

二十代の頃、週に100時間以上働いていた時期があります。月の残業が100時間を超え、高額の残業代が銀行口座に溜まっていきました。体調を崩して休む同僚が続出する中、私はプロジェクトが終わるまで病気になりませんでした。他人からは「タフだ」と言われたものです。

 

時間数はさほどでもないものの、精神的にきつい仕事が続いて燃え尽きた時期もあります。おかげで自分の得手不得手がよく理解でき、そして精神的に強くなりました。

 

時間数も仕事の重圧も尋常でなかった一方で、精神的に充実していた時期もあります。思えばこの時期に自分の実力ギリギリまで働き、実力を超える実績を上げていたことが今の自分につながっています。

 

そして仕事が忙しい時期に「急ぎながら休む」という技を会得しました。

 

急ぎながら休む。

 

言わば、全力疾走しながらくつろいでいるような感覚です。

 

めまぐるしく状況が変わり、自分も素早い判断を次々と下しつつ、同時に状況を上空から眺めてニコニコしているような感覚です。

 

ディベート競技の経験のある人なら、あと2分で1AR(肯定側第一反駁)をやらねばならず、ギリギリまで追い込まれているのに、心の中では口笛を吹いてそよ風に当たっているような、パラドキシカルな感覚です。

 

急ぎながら休む。

 

これのおかげで今も助かっています。

 

何が来ても大丈夫。

 

そういう感覚に恵まれているのです。

 

この技があったなら、週に100時間以上働いている時も、異常な圧力に苛まれている時も、どこ吹く風で暮らしていたかもしれません。

 

 

サンタフェ通信10月14日より一部抜粋しています。


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