河上素子さんが亡くなった | 田村洋一 | サンタフェ通信

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河上素子さんが亡くなった

12月29日朝、ピアニストの河上素子さんがご病気で亡くなりました。突然のお別れでした。

 

私が最後に素子さんと会って話したのは今年の5月18日、日吉のご自宅にお邪魔したときです。音楽の話、作曲やピアノの話、昔話、今の話、これからの話。話は尽きませんでした。素子さんは旺盛にライブ活動をしていました。しかし6月に入って急に体調不良を理由に全ての音楽活動を中止しました。

 

近頃はすっかり音沙汰がなくなっていて、素子さん最近どうしてるかな、具合悪いのかな、お見舞いに行きたいな、と思っていた矢先のことでした。

 

12月29日の朝、日本からの連絡で素子さんが亡くなったことを知りました。その日の午後、ニューヨーク29丁目のナショナルオペラセンターアメリカに行って、音楽家のロワール・コトラーさんに会いました。歌のレッスンを受けるために会う約束をしていたのです。2014年に贄川治樹さん主催のリズムのワークショップで会ったロワールは、もちろん素子さんのことを憶えていて、あまりに突然の悲しい知らせに衝撃を受けていました。

 

素子さんは私より少しだけ歳上で、息子さんはたしかうちの次男と同い年の大学生でした。こうして思い出していると涙が止まらなくなります。

 

素子さんは好きな音楽をとことん追求して、地位や名声や富や人気とは全く別次元の、本当の音楽の楽しさや喜びをひたすら表現してくれていたのです。即興ピアノが大好きで、即興ピアノが一番楽しいと言っていました。

 

自分も好きなこと、やりたいことを、迷わずどんどんやろう。生きている限り、やりたいことをどこまでも追求していこう。そして生きている喜びと楽しさをたくさんの人たちと分かち合って生きていこう。

 

そう思っています。

 

素子さんの音楽。素子さんの笑顔。素子さんの歌。素子さんの思い出を永遠に忘れることはありません。

 

サンタフェ通信12月30日より


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