マインドフルネスの真の威力 | システム思考 | 田村洋一

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マインドフルネスの真の威力

「瞑想しているときは心が落ち着いています。でも職場とか仕事の現実に戻ると元に戻ってしまいます。瞑想のやり方が悪いのでしょうか」

 

ときどきこんなふうに言う人がいます。それに対して私の答えはこうです。

 

「瞑想すると心が落ち着くなどの効果を感じるんですね。おめでとうございます。それはもうすでに瞑想に成功してるんです。ただし半分です。残りの半分は、ふだんの生活に戻ったときに瞑想的でいられることですね」

 

どういうことか、説明しましょう。

 

世界的なマインドフルネスブームが続いています。ひと昔前は「瞑想」というと神がかったカルト宗教を連想して毛嫌いする人がたくさんいたことを思うと隔世の感があります。

 

ブームのおかげか、ヨガにも宗教にも精神世界にも無関心だった一般の人たちが瞑想を始めることが増えています。ビジネスにおいてもマインドフルネス、気づきを深めることが奨励されていることがあるほどです。

 

静かな部屋で静かに瞑想するだけで、ストレスを軽減し、心身の健康を回復し、自己を振り返って豊かに生きるヒントを得られるなら、瞑想をやらない理由がないのではないでしょうか。

 

ところが、せっかく瞑想しても忙しくて困難な仕事場に戻った途端に元の木阿弥では、「本当に効果があったんだろうか」と疑問に思っても不思議はありません。

 

瞑想を通じてマインドフルになることの本来の威力は、まさに日常の喧騒の中で発揮されます。

 

混乱し、感情的になり、焦ったり怒ったり嘆いたり罵ったりするとき、その瞬間こそがマインドフルになることを思い出す好機です。

 

その瞬間に息を吐き、身体の緊張に気づき、呼吸とともにリラックスするのを感じます。激しく動揺しているその最中においてさえ、心の奥底にマインドフルな自分自身がいることを思い出すのです。

 

静寂なゆったりした空間で瞑想をすることは最高の贅沢です。それによって安定した心の充足や平和の感覚を培うのです。

 

それができたら今度は日常の困難の中でその心の感覚を思い出すことです。

 

簡単にできるとは限りません。瞑想はトレーニングです。一度できなかったからといって落胆したり失望したりする必要はありません。できたこととできなかったことを振り返り、また瞑想してトレーニングを続けるのです。

 

私自身もまだまだできないことだらけです。でもできるようになったこともたくさんあります。5年前、15年前、30年前に比べたら、かなり上達しましたよ。

 

サンタフェ通信3月3日より


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