ビジュアルに考える | システム思考 | 田村洋一

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ビジュアルに考える

言葉は物を考えるための基本的な道具です。しかし物を考えるための道具は言葉だけではありません。言葉だけで考えているようでは物は考えられないのです。

 

では何を使って考えるのでしょうか。

 

非言語で考えるのです。

 

これはシステム思考やディベートを実践している者の間では常識で、今さら論じられることも多くありません。ビジュアルに、空間的に考えなければ、複雑な事象や議論を俯瞰することは不可能なのです。

 

言葉は重要ですが、言葉だけでは足りません。

 

音楽家はビジュアルに考える。空間を捉えていなければ時間的な表現ができない。

 

数学や物理をやる人たちもビジュアルに考える。言葉や記号と並列に、あるいはそれに先立って、ビジュアルイメージで考える。

 

囲碁や将棋をやる人たちも空間的に考える。言葉や記号で戦略を練るのはやはり不可能。

 

企業戦略を構想する経営者やコンサルタントもビジュアルに考える。非言語の時空で発想し、非言語の時空で表現し、非言語の時空で分析し、非言語の時空で議論する。

 

ここで言葉や記号に頼る人たちとはある種の壁が生まれます。絵が見えない人にいくら言葉で伝えようとしても伝わらないことがあるのです。バカの壁の一種です。

 

コーチングやファシリテーションにおいても時空をビジュアルに見る能力がないと先に進めないことが多く、逆にグラフィックに時空を共有できると一気に視界が開け、前に進めます。

 

これがこの世界の暗黙の方法、オープンシークレットです。誰も秘密にしていないが、実践している人たちだけが知っている職業的秘訣です。言葉でだけ考えようとしている人たちにはまるで理解困難な自由の境地でもあります。

 

今週末のオブジェクティブコーチング道場でも稽古しようと思います。

 

サンタフェ通信5月12日より


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