マインドフルネス | システム思考 | 田村洋一

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マインドフルネスの狙いはチョイスを生み出すこと

ほんの数年前までは瞑想というとビジネス界ではオカルト扱いする人がいるほど敬遠されていました。昨今のマインドフルネス流行のおかげで毎日でも瞑想することが仕事のパフォーマンスを高め、生活の質を高めることが知られるようになってきたのは喜ばしいことです。

 

一方で、マインドフルネスは一種の流行語と化してしまい、もともとの意味が理解されていないばかりか、間違った印象で広まっている観さえあります。

 

先週末に湯河原で開催されたジェレミー・ハンター氏による「セルフマネジメントとマインドフルネス」の講座にセミナー通訳として招かれて参加した際に、ジェレミーが

 

「マインドフルネスを実践するのはチョイスを生み出すためだ」

 

と明言するのを聴いて、「これだ」と思いました。

 

静かな時間をとってゆっくり深呼吸をして体の動きを止めれば、それだけで落ち着きを取り戻し、ストレスを軽減し、癒されるような健康増進効果を得ることも珍しくありません。

 

しかしマインドフルネス実践の眼目は、ストレス軽減や癒しではありません。自己を観察することです。自分の心と身体を観察し、自分が何をしているか、何を思っているか、何を暗黙に信じ込んでいるか、などをあぶり出すことです。そしてその自己観察、現実観察から新たなチョイスが生まれ、そのチョイスから新たな暮らし方が生まれ、新たな現実が創造されるのです。

 

「なぜ仕事がうまく行っているのに充実感が薄いのか」
「なぜ仕事時間がどんどん増えて疲労困憊しているのか」
「なぜ一所懸命働いているのに思わしい成果が上がらないのか」

 

自分の課題がなんであれ、慌てて問題を解決しに行く前に現実をしっかりと観察することです。一体全体何が起こっているのか。

 

自分の行動を観察し、それが自分の現実に結び付いていることを知ります。そして自分の認識を観察し、それが自分の行動に結び付いていることを知ります。さらに自分の意識を観察し、それが自分の認識を左右していることを知ります。

 

マインドフルネスの実践は、自分が無意識に真だと思い込んでいることを明るみに出して、その真偽を検証し、そこに新たなチョイスを見つけ出すことを可能にします。

 

毎日夜遅くまで仕事をしている人は、それ以外のチョイスがあることを認識しているのでしょうか。それとも選択の余地などないと思い込んでいるのでしょうか。

 

充実感を得られない仕事を続けている人は、それ以外のチョイスがあることをどれだけ認識しているのでしょうか。それとも選択の余地などないと思い込んでいるのでしょうか。

 

ひとに助けを借りずに自分一人でひたすら頑張っている人は、それ以外のチョイスがあることをどれだけ認識しているのでしょうか。それとも選択の余地などないと思い込んでいるのでしょうか。

 

マインドフルネスの実践は、自分にどれだけ選択の余地があるかを教えてくれます。それは単なるストレス軽減や癒し効果などを遥かに超えたインパクトを人生に与えてくれます。

 

サンタフェ通信10月20日より

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