「教える」とは | 田村洋一

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「教える」とは

アレクサンダーテクニークの教師ロビン・アバロンがトレーニング合宿の冒頭で私たちに問いかけます。

 

「この合宿にはたくさんの経験のある教師がいる。ベテランの教師がやっていることとビギナーの教師がやっていることはほとんど同じだ。教え方さえもほとんど同じだ。じゃあ効果的な教えとそうじゃない教えとの違いは何なのか」

 

私たちは問いかけを受けて考え始めます。

 

「ビギナーの教師は教えたいことを教えようと一所懸命になってしまうことがある。ベテランの教師は生徒の準備レベルを見ている。学ぶ用意があるか。学ぶ姿勢があるか」

 

そしてロビンは「教えるというのは学びが起こる条件を創り出す意図的な行為だ」(Teaching is the intentional act of creating the conditions where learning can happen.)というパーカー・パーマーの言葉を引用します(https://www.amazon.co.jp/Courage-Teach-Exploring-Landscape-Teachers/dp/0787996866)。

 

教師が教えるというのは、「何を教えるか」「どう教えるか」よりも前に、学ぶ者が学べる環境を創り出すことなのです。

 

生徒が学ぶ用意をしていない時に教師がいくらしゃかりきになって教えても何の役にも立たない。生徒が学ぶことができる条件を創り出すことこそ優れた教師の仕事なのだ。

 

そこへもう一人のアレクサンダーテクニーク教師のブルース・ファートマンがコメントします。

 

「もし生徒が来て、彼がunlearnすること(脱学習: すでに学んでいることを忘れること)が自分の仕事だとわかっていれば、もう半分仕事が済んでいる」

 

アレクサンダーテクニークで学ぶことの多くは、新たに何かをするのではなく、すでにやっていることに気づき、もしそれが自分の目的に合っていないなら自覚的にやめていくことです。

 

アレクサンダーテクニークは心身の使い方についての教育ですが、学ぶことや教えること全般に通じるエッセンスを学んでいる気がします。

 

サンタフェ通信11月24日号より


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