職業としてのコーチング | 田村洋一

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職業としてのコーチング

私がコーチングを職業として実践するようになって20年、ビジネスとして本格的に提供するようになって15年が経ちます。

 

この20年の間にたくさんのことを学び、20年前には考えもつかなかったようなことを日常の仕事の中で実践しています。また、企業社会や日本社会の中でもコーチングに対する物の見方は変わり、コーチングの学習効果を痛感する人や組織が増える中で、大きな期待に対する幻滅を感じる人や組織も増えているようです。なかには「ワンオンワン」「フィードバック」などのカタカナ語を使ってコーチングで実践されていることを換骨奪胎している人や組織もあります。

 

さまざまな変化がある中で、私自身はコーチングをケアの実践と捉えています。その捉え方には20年間なんらの変化もありません。

 

クライアントからはさまざまな依頼があります。
「社長と副社長の関係を改善したい」
「強すぎるリーダーの後継者育成をしたい」
「権限委譲を促進したい」
「グローバル経営を実現したい」
「異文化間コミュニケーションを向上したい」
「活気のある職場組織にしたい」
「働き方を改革したい」
「事業実績を向上したい」

 

エグゼクティブコーチングの依頼テーマが何であっても、私のプロとしての基本スタンスに変わりはありません。クライアントが学んで成長するために最大の機会を提供する。これに尽きます。

 

ひと言で言うなら、クライアントのケアとしてのコーチング、クライアントの成長のためのコーチングです。

 

クライアントが成長するためには、クライアントに学んで成長する意思、意欲が必要です。クライアントが主体的に変わろう、変わりたいと思うことが必要です。

 

一方で、私のクライアントは例外なく「成功している」人たちです。すでにここまで成功しているからこそ現在の地位にいるのです。すでに成功してきているからこそさらに活躍を求められるポジションにいるのです。今までの成功のパターンを手放すことは決して容易ではないのです。しかし今までの成功パターンでは必ずしもまかないきれないチャレンジに直面している人たちなのです。

 

私のクライアントがそれぞれのチャレンジを引き受けてさらなる飛躍を遂げていくために私が何を手伝えるというのか。これが私のチャレンジです。

 

私にできることは、一人ひとりの歴史を知り、将来ビジョンを知り、クライアントの現在と関わる。ただそれだけです。現在のクライアントの心境、思考、感情、境遇に耳を傾け、クライアントが学んで成長しうる最善の空間・時間を提供する。ただそれだけのことです。

 

そのためだったらできることは何でもします。社会やビジネスの常識にとらわれず、やりうることは何でもします。

 

それが私の職業としてのコーチングを成り立たせている一切の条件です。そこには何のジレンマもありません。何のコンフリクトもありません。何のパラドックスもありません。成長をケアするというシンプルな目的と、人間への信頼があるだけです。

 

サンタフェ通信12月1日より


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