知識を価値に変える技 | 田村洋一

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知識を価値に変える技

成田山の新勝寺には断食修行の道場があり、心身の鍛錬と不動の信念を体得したい人を受け入れてくれます。今回ご縁があって4日間の断食修行を体験してきました(2017年12月7日から10日)。

 

断食は体力を消耗するものだと言われましたが、非常な好天に恵まれたのを良いことに、広くて美しい境内や起伏の激しい庭園などを来る日も来る日も自由に歩き回り、好きなだけ体操したり瞑想したりして元気に過ごしたせいか、体力低下などは全く起こらず、むしろ活力が高まって無事満了しました。

 

思うに、「食べないと体力が落ちる」というのは現代人に強く刷り込まれた思い込みなのではないでしょうか。長期間の絶食は別として、ほんの十数食を抜くくらいのことで体力は落ちません(私個人の場合です)。むしろ運動不足のほうが身体に悪影響を与えるかもしれません。

 

断食していると一日が非常に長く感じられます。食事の支度をしなくていいし、食事の片付けもしなくていい。食事そのものをしないのですから、「あ、ランチタイムだ」「あ、朝食の時間だ」「そろそろ夕飯だ」と言って仕事の手を止める必要がありません。日中がずっとひたすら続きます。

 

食事をしないので、食後の消化に使う体力の消耗もありません。眠くなったりもしません。

 

慣れないうちはお腹が空きます。が、それも最初のうちだけです。やがて食べないことに心身が慣れていきます。

 

そして感覚が鋭敏になります。視聴覚がリフレッシュされ、いろいろな色や光や音や声が同時に身体に入ってきます。

 

自分がいかに多くの人たちに支えられて生きているか、いかに大自然の営みに育まれて生きているか、痛切に感じます。

 

これは断食修行を満了して下山し、通常の仕事生活に戻ってからも続いています。

 

私たちの日々の暮らしは実に多くの社会の人たちによって平和に支えられています。素晴らしい大自然の働きによって支えられています。そのことに自ずと感謝の念が湧いてきます。

 

大自然や社会の多くの人々に恩を返すような心持ちで年末の静謐な日々を送っています。

 

サンタフェ通信12月8日号より一部抜粋しています。

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