ロバート・フリッツ | 構造的前進 The Path of Least Resistance for Managers

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構造的前進

組織が前進しているときには明らかな兆しがある。ひとつの達成が土台となって、次の達成を支えるのだ。前進する組織では全てが役に立っていく。うまくいかなかったことですら重要な学びの糧となり、将来の成功のもとになる。

 

「前進」とは、どこかの地点から別の地点へと移動することを意味する。ボールを放れば、手を離れて着地点へと移動する。一箇所から別の箇所へと移る。

 

組織において私たちはアクションをとって一箇所から別の箇所へと移動しようとする。今いるところ(現状)から望むところ(目標や志)へと移動しようとする。目標を達成した時点でこの移動は解消する。

 

「解消」という言葉は移動が終了したことを示唆している。優れた組織においては次から次へと「解消」するふるまいが観察される。まずアクションが起こり、目標を達成して、終了する。最小抵抗経路が私たちを望みの地点へと導いてくれるのだ。

 

プロジェクトチームが任務を完了し、報告を書き、予算を準備し、宣伝活動を実行し、製品を創出する。経営陣は、こうした様々なプロジェクト群をコーディネートして、戦略や戦術の織物へとまとめ上げる。うまくいけば組織活動は見事に調和して支え合い、真の統合(アラインメント)に達する。そうなるとその組織は一貫して高いレベルのパフォーマンスを実現することになる。

 

根底にある構造を正しく構築して最小抵抗経路が前進するようにすれば、組織は次から次へと高い目標を達成し続ける。これが創り出すプロセスのエッセンスだ。何かが創り出され、それが創り出されたことによってさらに次の何かが創造され続ける。

 

前進する組織においては全員のアクションが役に立ち、企業全体のエネルギーと才能に貢献することになる。企業が集合的で協働的な創造プロセスに関わっていく。

 

企業で働くほとんどの人たちにとって、この話は夢物語にしか聞こえないだろう。

 

ほとんどの企業は社員や組織から最高の力を引き出すような構造を持っていない。たいていの組織は個人の自主性を奪い、個性を踏みにじり、魂さえ奪うためにあるかのようだ。会社は外聞や近視眼や集合的愚鈍にかまけていて、企業のプロフェッショナリズムとは似ても似つかぬ精神病棟にでも迷い込んだかのように感じることがあるだろう。最高の創造的競争優位が最高権力の座で失われていく。組織に内在する素晴らしい経験、才能、エネルギー、献身、知恵の数々が無視され、活用されず、認知もされない。

 

なぜなのか。それは前進しない構造、揺り戻す構造が根底にあるからだ。

 

(Robert Fritz, The Path of Least Resistance for Managers の第1章から抜粋)

 

サンタフェ通信11月16日より

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