会議嫌いからの転身 | 田村洋一 | サンタフェ通信

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会議嫌いからの転身

 

 私は会議やミーティングが嫌いでした。

 

 会議でクリエイティブな発想が生まれることなどほとんどありません。ミーティングは連絡事項や情報共有のために必要最低限の時間で運営しようとしていました。

 

 議論や対話が建設的な意見交換や合意形成に至ることは稀です。それどころか、「くだらない会議ばっかりで仕事にならん!」と不平を言ったり、口実を設けてミーティングをサボったりすることが日常茶飯事だったのです。

 

 1994年頃、上司に緊急会議を招集されて夕方5時から夜の11時まで食事の休憩もなく報告や説明をさせられた日には会社を辞めようかと思ったのを覚えています。(その3年後に実際に辞めるのですが。)

 

 これが変わったのは、1998年にジェミニコンサルティングという戦略コンサルティングファームにジョインしたときからです。

 

 このプロフェッショナル組織においては、ミーティングをデザインし、場を作り、話を進め、人を動かす方法としてのファシリテーションが実践されていました。

 

 1998年当時にはまだ「ファシリテーション」という方法も「ファシリテーター」という役割も、日本国内ではまるで認知されていませんでした。いま思えば先駆的な職場環境だったのだと実感します。

 

 「ファシリテーション」は私にとって画期的な方法でした。非効率でうまくいかないことが多かった複雑な話し合いを、明快で生産的なものに変えることができたのです

 

 2001年頃には「田村さんのファシリテーションが入ると、物事がてきぱき進む」と他人から言われることが頻発してきました。

 

 2002年には「ファシリテーションというメソッドを教えてほしい」と依頼されることが増えてきました。

 

 2003年には「なぜあの人だと話がまとまるのか?」というタイトルの本を書いてほしいと出版社に依頼され、2004年に出版しました(2011年にタイトルを変えて改訂した新版「プロファシリテーターのどんな話もまとまる技術」)。

 

 変われば変わるものです。

 

 今ではミーティングが創造的な場であることは当たり前になっています。創造的まで行かなくても愉快で活気があるのが通常です。活気が不足している時でも効率を失うことはまずありません。

 

 アジェンダを持ち、アクティブに話を聴き、必ず何らかの結論や学びを得る。話が合わない、意見が合わない相手とでも有意義な交歓ができる。必要なだけ時間をかけ、必要以上に時間をかけない。

 

 ファシリテーションは、私の仕事を変え、キャリアを転換させました。

 

 ファシリテーションの持つパワーと、ファシリテーターが果たせる役割には、まだまだポテンシャルがあります。

 

 

 

サンタフェ通信2月28日号より一部抜粋しています。


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