偉大な企業はどのようにして可能なのか | ロバート・フリッツ

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偉大な企業はどのようにして可能なのか

なぜ組織で仕事をするのか。それは人が一人ではできないことを、皆で力を合わせて実現することができるからです。誰でも組織で仕事をしています。会社勤めではなく、一人で何かを制作している人でさえ、なんらかの企業や団体と関わって、人を巻き込んだり巻き込まれたりして働いています。

 

自分だけではできないことに、仲間やチームと一緒になって取り組むことで、ときには大きな成果を上げることができます。いや、その前に、優れた同僚や上司や部下と仕事することから得られる充実、成長、発展があります。

 

組織とは、小さな自分の力を大きく使い、創り出したい成果を上げることを支えてくれる存在です。

 

ところが一方で、組織は個人を縛り、個性を奪い、理不尽を強いて、自由や権利を踏みにじることすらあります。ブラック企業と呼ばれるひどい会社でなくとも、職場の制約のためにやりたいことができずに不満や不快を我慢している人たちが大勢います。また、会社で大いに成果を上げても、それが満足に認められないばかりか、なぜだか仕事の権限を奪われてしまい、せっかくの成功が台無しになってしまうという不思議な現象も後を絶ちません。

 

企業はたいてい成功と失敗のあいだを行ったり来たりしています。脚光を浴びたと思いきや不祥事に見舞われててんてこ舞い、V字回復したと思いきや想定外の転落に絶望したりしています。職場はたいてい仕事のできる人に仕事が集中し、それ以外の人はあまり仕事ができずにぶらぶらしています。仕事が忙しい人たちはずっと忙しく、それを嘆きながらもプライドにしている人もいます。忙しいのが勲章だと思っている人すらいます。体を壊し、心を壊し、家庭を壊し、人生を壊して初めてワークライフバランスの大切さに気づく人もいます。そのくせ「仕事というのはそういうものだ。仕事は忙しいやつに頼むしかない。やれる人がやるしかないのが仕事だ」などとうそぶく人も多いのです。

 

いったい何が起こっているのでしょうか。これは会社や組織の宿命なのでしょうか。

 

「偉大な組織をつくる(原題 The Path of Least Resistance for Managers)の著者ロバート・フリッツは、彼自身が数十年前に腰を抜かして驚いたという企業の実態を構造的に解き明かし、こうした難題をどうしたらいいのかを明快に説いています。

 

多くの企業に共通する難題は、決して宿命などではありません。私たちが観察し、分析し、変えることができる構造です。構造から変えなければ何も変わらない、一時的に改善しても(ダイエットした人がリバウンドしてしまうように)元に戻ってしまう、とロバートは言います。

 

状況に反応したり対応したりして問題解決してもダメだ、根底にある構造を見て、構造を変えなくてはならない、構造を変えれば自ずと全てが変わるのだ、とロバートは喝破します。状況思考をやめ、構造思考に転換すること。ロバートはその方法を事細かに、具体的に、明快に示してくれます。

 

The Path of Least Resistance for Managers は今から20年前に出版され、8年前に改訂新版が発行されました。企業の戦略コンサルティング業務に携わっていた20年前の私は、自分たちの提供しているコンサルティングサービスに自負と自信を持っていましたが、ときに構造を見失い、表面的な改善に陥るリスクを認識しました。どんなに目覚ましい成果を上げても、根底にある構造がノータッチだったら元の木阿弥なのです。

 

初めて日本語訳を出版する機会に恵まれて今この本を再読し、ロバートの教えが全く古びていないばかりか、革新的・革命的と呼んでも大げさでないほどの洞察と明晰さを備えていることに今更ながら驚いています。

 

今回開催するフリーwebinarでは、出版前の翻訳原稿の一部を音読しながら、ロバートの教えのエッセンスを紹介し、webinar受講者の皆さんとこの学習体験を分かち合いたいと思っています。そしてwebinar受講者の皆さんには、ロバートの教える構造思考を、自分の職場、組織、会社、企業、コミュニティで活用し、大いなる成果やささやかな成果を上げることを期待しています。

 

このwebinarを受講するのに特別な資格は必要ありません。偉大な企業はどのようにして可能なのか、という純粋な興味から、自分の組織をどうしたらいいのか、うまくいっている会社を今後どうしたらいいのか、会社の課題をどう考えたらいいのか、などの切実な関心まで、一人ひとりの好奇心と学習意欲を聞かせていただけると幸いです。企業や団体で働く方々はもちろん、組織開発や人材育成を専門とするコンサルタントやトレーナーの皆さんの参加や貢献も歓迎します。本書の知識は活用されるためにあります。どんな職業、価値観、バックグラウンドの方も気兼ねなく参加してください。

 

第1回フリーwebinarは 2月25日(月)19:15ー20:00に開催予定です。

 

サンタフェ通信2月8日より

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