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留守番電話が苦手

ずいぶん昔の話ですが、留守番電話が苦手でした。留守番電話だとわかるとすぐに電話を切ってしまうほどでした。相手が出ると思って電話しているのに機械が出て、用件を録音しろと言われる。用件を言えと言われても、相手と会話する中で伝えようとしていたので、ずばり用件を言うのが難しい。

 

こういうのは私だけでしょうか。

 

そして今から21年前、この苦手を克服するチャンスが巡ってきました。転職先のコンサルティングファームが全社的にボイスメールを使っていて、ボイスメールなしには仕事が成り立たなかったのです。なんとかするしかありません。

 

最初のうちは仕方ないのでボイスメールにする内容を紙に箇条書きにし、メモを見ながらメッセージを吹き込んでいました。

 

しかしよくしたもので、ボイスメール文化の中で仕事をしていると、まわりの同僚たちの中にボイスメールの使い方の上手な人がたくさんいたのです。ですから私のしたことは、その上手な人たちの使い方を観察し、真似して、新しいスキルを習得することでした。

 

いったん習得したらこんなに便利なものはありません。自転車に乗れなかった人が自転車に乗れるようになったようなものです。もうこれなしでは仕事ができないほどでした。

 

実際その数年後に次の会社に転職したときは、ボイスメールがなかったその職場に要求してボイスメールシステムを導入してもらったほどです(しかし残念なことに、せっかくシステムを導入したのにそれを使いこなすカルチャーがなかったので、新しいシステムはうまく活用されませんでした)。

 

こんなふうに、思いがけず苦手なものが短期間に得意になることもあります。おそらくこれは苦手の理由によります。何らかの障碍があって、やりたいことがうまくできないために苦手意識を持っていたのです。その障碍を取り除き、新しい習慣を身につけることで、苦手が得意に変わりました。

 

意識が邪魔をしていることがあります。苦手なことに直面したら、「何をやりたいのか」「何ができないのか」「何をしたらいいのか」と自問自答するといいでしょう。

 

私はもう何年も前からボイスメールシステムは使っていませんが、留守番電話が苦手という意識はすっかり過去のものとなりました。それどころか、電話するときに半自動的に頭の中が整理されていて、「用件」が明快に言語化されるという新しい習慣が身についているのです。

 

サンタフェ通信5月24日より

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