衝動を抑圧せずに解放してやる方法 | 田村洋一 | サンタフェ通信

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衝動を抑圧せずに解放してやる方法

 

 自分の部下を叱り飛ばして萎縮させてしまうという評判のマネージャーがいました。気の弱い部下ほど自分の意見を言えなくなり、自分の意見を言えない部下は「なぜ意見を言わないのだ」と、ますます叱られるというのです。

 

 お会いしてみると実に理知的で誠実で快活で、にこやかな男性でした。

 

 そして、部下を叱りつけること、ときに厳しすぎる口調で追い詰めてしまうことについては自覚していて、「自分が正しいと思うことについては譲ることができず、ついつい語気も荒くなってしまうのです」と自戒されていました。

 

 気づいてはいるものの、いったん感情が溢れると抑制するのが難しいのだと言うのです。

 

 部下を叱り飛ばしたり意見が衝突したりする頻度を聞くと、ほとんど日常茶飯事だと言います。同じパターンを何度も繰り返し、改善しようとしても、なかなかよくならないと自嘲しています。

 

 アドバイスを求められた私はこう言いました。

 

 部下と衝突した時は、「よし、とことんとっちめてやる」と自分にまず言い聞かせてから「攻撃」開始してください、と。

 

 私のアドバイスを聞いたマネージャーは驚愕しました。

 

 「そんなことをしていいんですか? ただでさえパワハラだと非難されているのに」

 

 私は答えました。

 

 どちらにしたって結果的に部下を攻撃してしまっているのですよね? 今度は意識的に、自覚を持って攻撃してみてください、と。

 

 私のアドバイスを半信半疑で受け取ったマネージャーは、実際に試してみて、驚く結果を得ていました。

 

 意識的に攻撃していたら相手の怯える様子がよくわかって相手の気持ちや考えをもっとよく聞く気になり、かえって会話が深まったと言うのです。

 

 自分の強い衝動を押さえ込もうとするのではなく、正直に認めてやり、自分自身を自由にしてやることから、精神が解放され、衝突している相手に対しても余裕が生まれたのですね。

 

 自分の衝動を抑圧するばかりでなく、解放してやることで、人間は自由になることがあります。

 

 (上記アドバイスは、個人の知性や人柄と置かれた状況の総合的理解に基づいて為されたもので、一律に与えられる一般的助言ではありませんので悪しからず。)

 

サンタフェ通信3月14日号より一部抜粋しています。


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