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絵で聴き、言葉を受け取る

私たちは常日頃どのくらい人の話を聞いているのでしょうか。日常生活でも仕事の場面でも、本当に相手の話を聞いている人は稀です。たいていは、

 

1.聞いていない
2.聞いているふりをしている
3.聴きながら別のことを考えている
4.聴きながら自分の言いたいことを考えている
5.自分の聞きたいことだけを選んで聞いている
6.聞いて理解したつもりになっている

 

のどれかなのです。

 

これは傾聴のトレーニングを受けているはずのセラピスト、カウンセラー、コーチなどの職業についている人たちでも、実はあまり変わりません。彼ら(我ら)はトレーニングを受けているので、聞いているそぶりや聞いているつもりがうまいのです。しかし本当に聞いていたのかどうかは彼ら(我ら)がどれだけ話を理解しているかをチェックするだけでわかります。そして驚くほど理解していないことが多い。「え、今まで何を聞いてたの?」とびっくりすることがときどきあります。

 

エグゼクティブコーチングでこれは致命的なエラーとなります。あんなに頷いて、あんなに「共感」を示して、あんなに長時間にわたって、あんなに詳しく話を聞いていたふうだったのに、わかってなかったのか。落胆は信頼の失墜へとつながりかねません。

 

本当に話を聞くには技術と規律、訓練と経験、心構えと意識のフォーカスが要ります。STARクラブでは、いろいろな角度からその実践を探求し、さまざまな目的への応用を試みています。

 

ピクチャリング(映像化)はその主たる技術です。言葉で聞いているうちは本当に聞いていることになりません。これは小説を読んでいるときに、どんなに注意深く正確に活字を読んで理解していても、それを映像で心に描いていなかったら本当に読んでいないというのと同じです。

 

次に相手の言葉を正確に受け取ることです。相手に使った言葉を大切にして、無闇にそれを変えないことです。誰かが自分の話を本当に聞いてくれ、心の中の絵を分かち合ってくれ、そして自分の言葉を完全に受け取ってくれたときの体験は、非常に特別なものになります。

 

そして頭の中のノイズがすっかり消え、相手の心の風景が鮮やかに立体化して、その構造が見えるとき、全く新しい世界が開けることになります。

 

サンタフェ通信6月28日より

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