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アイン・ランド哲学を知る

アイン・ランドの小説アンセムを初めて読んだのは今から27年前、アメリカのバージニア州に住んでいた頃でした。夏休みに近所のバラックスロード・ショッピングセンターにあった書店を訪れたとき、その本屋の隅っこにアイン・ランドの作品コーナーがあり、薄いペーパーバックのAnthemが1冊置いてあったのです。

 

それが私のアイン・ランドとの出会いでした。

 

アイン・ランドという思想家の名前は大学の哲学の教科書で知っていました。しかしアイン・ランドの作品を読んだことはありませんでした。この短い小説、アンセムは、のちに知ることになるのですが、アイン・ランドの個人主義哲学の原点を劇的に表現した傑作だったのです。

 

初めて知る徹底した利己主義(自己主義)哲学思想に、私は夢中になりました。

 

それからというもの、私は片っ端からアイン・ランドの哲学オブジェクティビズム(Objectivism)に関する書籍を読み漁り、オーディオプログラムを入手して学び、大いに共鳴することになります。アイン・ランドの哲学は、その後の生き方や働き方をガイドする道しるべになったのです。

 

標題である「アンセム」とは、人間の理性、価値、主体性への讃歌です。どんなに社会に抑圧されようと、力強く芽吹き、花開き、結実する人間の創造性を賛美する歌です。

 

2019年7月4日、折しもアメリカ合衆国独立記念日に東京・銀座で開催されたオブジェクティビズム研究会で、第1回のアンセムを読む会がスタートしました。

 

佐々木一郎さんの美しい日本語訳で序文、第1章、第2章を読み、暗く不鮮明な全体主義社会の中から、少しずつ自分の個性・人間性に目覚めていく主人公の変化が、まるで濃い霧が徐々に晴れていくように鮮やかに描かれ出されます。

 

これはただの虚構ではない。いま私たちが生きている現代社会の現実の一部だ。隣国の悲劇だ。いや、現代日本にも蔓延る集団主義だ。

 

研究会には常連のメンバーから初めての参加者まで13名の老若男女が集まり、活発な対話がありました。

 

3年前に始まったオブジェクティビズム研究会は少しずつ広がり、自分の人生を生きる人たちの探究の場を提供しています。アイン・ランド哲学を知ることによって仕事との向き合い方が変わり、日々の暮らし方が変わり、身近な人間関係が変わり、社会のありようが変わる。これからも豊かな可能性を開いていきたいと思っています。

 

サンタフェ通信7月5日より

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