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「なんとなく」と「はっきり」の大きな違い

先週はロバート・フリッツ夫妻の教える5日間集中トレーニングのためにバーモント州に出張していました。世界中でフリッツ夫妻だけが教えている構造コンサルティングのコースです。イギリス、スイス、カナダ、オランダ、スウェーデン、ニュージーランド、日本、アメリカ各地から受講者たちがトレーニングのために集まっています。

 

今回のトレーニングは、ピクチャリング(映像化)、構造思考、プロフェッショナリズムの3つから構成されていました。

 

一番多くのトレーニング時間を使ったのがピクチャリングです。ピクチャリングは創り出す思考の基礎トレーニングで最初の数日をかけてトレーニングするものですが、上級トレーニングでは基礎トレーニングで学んだことを前提にして習熟度を上げていきます。

 

「なんとなくわかっている」ことと「はっきりわかっていること」とでは白と黒ほど違います。クルマの運転をなんとなくできる、ということはありません。できるか、できないか、です。できた上で、うまくできる、凄くうまくできる、とプロフェッショナルなスキルのレベルを上げていきます。同じように、ロバートの教えるピクチャリングを「なんとなくわかっている」というのはクルマの運転のできない状態です。動かせるけれど危険な技術レベルかもしれません。

 

トレーニングせずにピクチャリングできる人というのは滅多にいません。「なんとなく」だったらたいていの人ができます。オートマチック車に乗ったら、アクセルを踏めば動き、ハンドルを切れば動き、ブレーキを踏めば止まります。しかしクルマを乗りこなすには絶対に練習が必要です。そして高度な運転をするにはさらなる練習が要ります。

 

ロザリンド・フリッツのトレーニングは厳しく、一切の妥協がありません。正確にピクチャリングしていないと即座に駄目出しを受けます。スポーツや音楽のトレーニングにも似ています。音程が外れていたら何の言い訳も通用しません。リズムが狂っていたら絶対に許されません。「なんとなく」が通用しない世界です。

 

ロバート・フリッツのトレーニングの大半は、構造思考そのものについてのものでした。デジタル思考の応用以外は、ほとんどコンサルティングそのものの訓練ではなく、日常の中に構造を観察していく訓練でした。

 

帰りの飛行機の中で映画を何編か見ましたが、どの映画を観てもそこら中に構造があります。構造に気づかずにはいられなくなります。そして構造が見えることによって世界の見え方が変わります。世界の見え方が変わると世界との関わり方が変わります。

 

今回のトレーニングの3つ目の構成要素は、プロフェッショナルであること、です。

 

プロフェッショナルとアマチュア(非プロフェッショナル)では、仕事の質も内容も違います。アマチュアが好きなときに気が向いたらやる、のに対し、プロフェッショナルはどんな状況であろうと決めたことができるのです。気分が乗らないとか、調子がいいとか、そういうことは一切関係ありません。

 

プロフェッショナルとアマチュアでは自己鍛錬の質や方法も異なります。好きなトレーニングを延々とやるのがアマチュアなら、プロフェッショナルは規律と意識をもって目的にアプローチします。

 

個人的には、プロフェッショナリズムについての学びは他の2つと並ぶくらい価値のあるものです。

 

しかし、この3つ、ピクチャリング、構造思考、プロフェッショナリズムは、3つがきちんと揃って初めて最大の成果を上げるものです。

 

興味のある人にはお話ししたいと思っています。

 

まずは来月のフリッツ夫妻来日が楽しみです。

 

サンタフェ通信8月30日より

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