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「強い思い」は逆効果

何かを達成しようと思ったら「強い思い」が必要だ、絶対に実現したいと切望する気持ちが大切だ、思いの強さがなければ困難を乗り越えることができない・・・

 

そういう話を聞いたことがありますか。いや、そういう話を信じている人はいますか。

 

先日の「偉大な組織の抵抗経路」出版記念セミナー(ロバート・フリッツ来日特別イベント)で、参加した方からの質問がありました。「強い思い」や「望む成果への切望」が必要なのではないか、と。

 

ロバートは言下にこれを否定します。強い思いは必要ないばかりか、むしろ邪魔になるというのです。

 

ロバートの教える構造力学の観点からこのことを説明しましょう。

 

創り出したい何かを実現するには、二つのことが必要だとロバートは言います。ひとつは創り出したい成果のビジョン、もうひとつはビジョンから見たときの今のリアリティです。

 

ビジョンとリアリティの二つが明確に認識されていたら、ここに緊張構造が発生します。ちょうど的に向けて矢を弓につがえたようなものです。充分に引きしぼったら的に届くエネルギーが生まれます。これが緊張構造です。

 

弓矢の話はメタファーではなく、例示です。実際に緊張が生まれ、緊張は解消へと向かい、エネルギーとして働きます。ビジョンを実現するのに必要で効果的なのは、この緊張のエネルギーです。

 

さて、強い思いはなぜ必要ないのでしょうか。なぜ強い思いが邪魔にさえなるのでしょうか。

 

強い思いに依存した行動は、強い思いが弱まった途端に弱まってしまうのです。思い立った時に気持ちが強ければ、行動も強いものになるかもしれません。しかし翌日になって気持ちが弱くなったらどうでしょうか。行動も弱まってしまいます。数日経って気持ちが消えてしまったらどうでしょうか。緊張は消え、行動も消えてしまいます。

 

緊張構造が成立し、実現のエネルギーが持続するためには、「切望」や「強い思い」ではなく、ただシンプルに成果を創り出したいだけでいいのです。それ以上の「気持ち」が無用であり、むしろ妨げになるのはそういうわけです。気持ちではなく、構造がビジョンの実現を支えてくれるのです。

 

仕事の価値を何倍にも高めたい人なら、プロでもビギナーでも学ぶことができます。ワークショップをデザインする最高の方法を学んで、ともに実践しましょう。

 

サンタフェ通信9月27日より

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