放っておくという方法 | 田村洋一 | サンタフェ通信

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放っておくという方法

 

 怒りについてのアドバイスで最も納得し、最も役に立ったものは、セネカのアドバイスです。怒りは、放っておくにかぎる。そのうち収まる。時間が解決する。

 

 怒った時に瞑想しても無駄。抑圧したら逆効果。アメリカ建国の父トーマス・ジェファーソンは10まで数えろ、それでも収まらなかったら百まで数えろ、と言ったけど、これも同じことです。時が経てば何とかなる。時間が解決する。

 

 同じ怒りを、何年も何十年も抱えて生きる人たちがいます。この人たちは(たぶん)怒りを放っておくことができずに反芻したり増幅したり、はたまた抑圧したりしています。

 

 なかでも最もよくないのは抑圧することです。抑え込めば抑え込むほど怒りは内在化して定着し、発散されることがなく、反発してしまいがちです。

 

 人によっては怒りを増幅して発散させる人もいます。実はこれがある程度効果的であることは昔から知られています。気が済むまで怒ってしまえばすっきり忘れられるのです。

 

 ただし、増幅することにはリスクがあります。怒ることの「快感」が癖になってますます怒ってしまうのです。この怒ったり鎮まったりする、行ったり来たりのプロセスが、パターン化してしまうことです。辛い食べ物を食べたあと冷たい飲み物を飲んで冷ますように、パターンを繰り返すのです。

 

 だから総合的に言って、怒りは放っておくのが一番いいのです。

 

 何もしないで放っておく。

 

 そして今この瞬間を生きることです。

 

サンタフェ通信3月28日号より一部抜粋しています。


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