成功法則のウソ | 田村洋一 | サンタフェ通信

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成功法則のウソ

 

 成功している人たちを観察して分析し、

 

 「成功している人にはこの原則がある」

 

 と帰納的に原理を抽出し、それを処方箋として売り出す手法は大昔から多用されています。

 

 ナポレオン・ヒルの Think and grow rich もそうですし、無数の成功法則本がそうです。

 

 この手法には本質的な欠陥があります。

 

 Description(描写)はprescription(解決)たりえないのです。

 

 帰納法が間違う有名な例として、

 

 「ビールには水が入っている」
 「ウィスキーにも水が入っている」
 「ブランデーにも水が入っている」
 したがって「水を飲むと酔っ払う」

 

 という「早すぎる一般化」(hasty generalization)があります。

 

 「優秀なAさんはステイタスが高い」
 「優秀なBさんもステイタスが高い」
 「優秀なCさんもステイタスが高い」
 したがって「ステイタスが高いと優秀である」

 

 帰納法の危険を表現した寓話もあります(バートランド・ラッセル作と言われる)。

 

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 ある七面鳥が毎日9時に餌を与えられていた。

 

 暖かい日にも寒い日にも雨の日にも晴れの日にも9時であることが観察された。

 

 そこでこの七面鳥はついにそれを一般化し、餌は9時になると出てくるという法則を確立した。

 

 クリスマスの前日、9時が近くなった時、七面鳥は餌が出てくると思い喜んだが、餌を与えられることはなく、かわりに首を切られてしまった。

 

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 ブラックスワンの著者ナシム・タレブの言う「七面鳥になるな」という教訓の元になる寓話です。

 

 http://ja.wikipedia.org/wiki/帰納

 

 

サンタフェ通信4月11日号より一部抜粋しています。


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