善いことがあれば悪いことがある | 田村洋一 | サンタフェ通信

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善いことがあれば悪いことがある

 

 ある家に、ひとりの美しい女が、着飾って訪ねてきた。

 

 その家の主人が、

 

 「どなたでしょうか。」

 

 と尋ねると、その女は、

 

 「わたしは人に富を与える福の神である。」

 

 と答えた。

 

 主人は喜んで、その女を家に上げて手厚くもてなした。

 

 すると、そのすぐその後から粗末な身なりをした醜い女が入ってきた。主人が誰であるかと尋ねると、貧乏神であると答えた。主人は驚いてその女を追い出そうとした。

 

 すると女は、

 

 「先ほどの福の神はわたしの姉である。わたしたち姉妹はいつも離れたことはないのだから、わたしを追い出せば、姉もいないことになるのだ。」

 

 と主人に告げ、彼女が去ると、やはり美しい福の神の姿も消えうせた。

 

 生があれば死があり、幸いがあれば災いがある。

 

 善いことがあれば悪いことがある。

 

 道を求める者はこの二つをともに超えて、そのいずれにも執着しない。

 

(仏教伝導協会版 仏教聖典から)

 

 

サンタフェ通信4月25日号より一部抜粋しています。


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