孤独を愉しむ | 田村洋一 | サンタフェ通信

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孤独を愉しむ

 

 私は、毎日いろいろな人たちと出会い、いろいろな人たちに支えられて生きています。

 

 昨日も初めて会う人と親しく言葉を交わし、久しぶりに会う人と懐かしく昔話に興じました。(初めて人に会うのは常に新鮮で楽しく、古い友人に会うのは安心感と驚きに見舞われます。20年ぶりに会う人は「変わってないな」という感覚と「変わったな」という感覚の両方をもたらしてくれます。)

 

 今こうしている瞬間にも、家族や友人や見も知らぬ人たちに支えられて生きていることを感じることがあります。人間はもとより無数の動植物や大自然の存在によって自分が生きることができている。そういう感覚があります。

 

 仏教では「縁起」という言葉で説明されています。全ての人や生き物は相互に依存し合っているのです。誰も単独で存在することはできません。これは、信仰や神秘などではなく、客観的な事実です。

 

 よく「ご縁があって」と言いますが、「ご縁」は不可思議な神秘現象ではなく、日常的な事実なのです。

 

 一方で、初期仏教は「独りでいること」をはっきりと勧めています。

 

 人は家族や友人や同僚に支えられて暮らしています。山の中で独りで暮らしていたとしても、さまざまな動植物や大自然に支えられて暮らしています。

 

 しかし、それらから離れて孤独を知ること、孤独に目覚めて悟りを得ること、日常への執着を離れることを明白に勧めているのです。ダンマパダ(法句経)には「林の中を行く象のように独りで行け」とあります。

 

 私はこの孤独の感覚が好きです。孤独を愉しんでいます。

 

 孤独とは、よるべない淋しい気持ちではなく、自分の目的を知り、自分の現実を知り、自分の道を行くことなのです。

 

 ご縁に感謝しながら我が道を歩むことなのです。

 

 

サンタフェ通信5月23日号より一部抜粋しています。


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