妄想と瞑想との違いはなあに? | 田村洋一 | サンタフェ通信

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妄想と瞑想との違いはなあに?

 

質問コーナーへの質問: 妄想と瞑想との違いは何ですか

 

 瞑想と妄想とでは水と油です。月とスッポンほど違います。全く違うものです。言葉の発音が似ている以外に似ていることがありません。

 

 例えて言うなら、瞑想とは目覚めている状態であり、妄想は眠っている状態です。眠っているなら目覚めてはおらず、目覚めているなら眠ってはいません。瞑想しながら妄想をすることはできず、妄想しながら瞑想もできません。

 

 

質問: 妄想せずに瞑想するには何が必要でしょうか。

 

 質問者の方は、もしかしたら瞑想しようとして妄想ばかりしてしまっているのでしょうか。もしもそうだとしたら、それはよくあることです。目を覚まそうとしているのにもかかわらず、ついつい眠ってしまうようなものです。

 

 かく言う私自身もかつてそうでした。30年以上前にヨガの道場に入って瞑想を習い、毎日座禅を組みましたが、座るや否や雑念の嵐です。形式上は座禅を組んで瞑想の姿勢を取るものの、心の中は瞑想ではなく妄想渦巻いていました。

 

 四年前から開催している「頭脳が活性化する呼吸法と瞑想クラス」では、どんな初心者でも瞑想に入りやすい呼吸法その他の技法を毎月実践しています。その中の一つ、倍音声明を教えてくださったヨガの先生の成瀬さんが、

 

 「瞑想しようと 1時間頑張って、5分瞑想できたとしたら、残りの55分は頑張ってただけで、瞑想してたのは5分だけ」

 

 と喝破されていたのが印象的でした。

 

 55分妄想して5分瞑想するよりも、きちんと呼吸法や技法を習って一日15分だけでも瞑想し、マインドフルな状態を実現したほうが現実生活のためにもいいと思います。

 

 とはいえ、妄想が渦巻く心の状態は、私たち凡人の常でもあります。

 

 妄想してしまうからといって心が弱い、精神が薄弱だ、というわけではありません。ただ平凡でありふれた状態だというだけのことです。

 

 15分でも30分でも座禅や立禅や歩行禅をトライして、見事マインドフルに瞑想できたらよし、もしも妄想ばかりして瞑想できなかったら、「今日は妄想ばかりしていて瞑想はできなかった」と観察して、さっさと現実生活に戻ったらいいのです。

 

 瞑想と妄想とでは水と油です。水の代わりに油は使えない。違いを知っておけばいいのです。

 

 

サンタフェ通信8月22日号より一部抜粋しています。


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