強すぎるリーダーシップ | 田村洋一 | サンタフェ通信

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強すぎるリーダーシップ

 自分にエグゼクティブコーチングの依頼が来るケースの半数以上は、強すぎるリーダーシップのケースです。

 

 強すぎるリーダーシップの何が困るのでしょうか。

 

 組織やチームの状況にもよりますが、典型的に困るのは、後継者が育たない、メンバーがついていけない、チームがリーダーに依存してしまう、などです。

 

 去年から今年にかけて、強すぎるリーダーの中でも特に独断専行や専制的と言われるケースが相次いでいました。「いよいよ本格的な悪人がクライアントになるのか」と思わされるほどの激しい悪評の立つ経営者のケースまであります。


 実際に会ってみると例外なく紳士淑女の好人物たちです。決して悪人などではないのです。

 

 ただ、いったん信頼を失ってしまうと、部下はリーダーに物を言わなくなってしまう。あの人に言っても無駄だ、と言う前から諦めてしまうのです。

 

 リーダーというものは目の前の現実について執拗に問い続けなければならない。黙っていても部下は教えてくれない。問うても教えてくれない。自分をオープンにし、率直に真摯に訊き続け、聴き続けなければならない。

 

 リーダーが賢そうに見えていると、部下はますます物を言わなくなる。言っても無駄だ、と思って黙ってしまう。

 

 はっと気づきました。これは自分じゃないか。

 

 フィードバックを受け取ろうとしない自分じゃないか。

 

 手厳しいフィードバックを受け取ろうとしない自分です。

 

 「そんなこと言われたって困る」という顔をしてしまい、フィードバックを拒絶し、周囲を黙らせてしまう自分。

 

 強すぎるリーダーシップは、依頼されるクライアントに多いケースだと思い込んでいましたが、まさに自分自身にこそ当てはまる症例じゃないか、と気づいたのです。

 

 自分はちゃんとオープンでいる、謙虚でいる、率直に、真摯に他人の話を聞いている、という思い上がり。

 

 「人の振り見て我が振り直せ」と言うけど、なかなか気づけないものですね。

 

サンタフェ通信10月24日号より一部抜粋しています。


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