相関関係は必ずしも因果関係ではない | ディベート | システム思考

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相関関係は必ずしも因果関係ではない

 

 プロ野球の統計データによると、無死一塁でバントをしたときよりも強打したときのほうが得点率が高いのだそうです。さてここで問題です。この事実から「無死一塁の状況では、バントより強打したほうが策として優れている」という結論は導けるでしょうか。

 

 ごく単純な論理思考の問題ですが、驚くほどたくさんの賢い人たちがあっさりと誤った結論を導いてしまいます。「データが示しているのだから間違いない。無死一塁ではバントすべきだというセオリーは覆された」などと言ってしまうのです。

 

 ちょっと論理的に考えてみれば間違いがわかります。無死一塁の状況で「バントすべきか強打すべきか」という個別の判断が為された結果としての「データ」です。あくまでも結果でしかありません。したがって、その事実をもって将来の処方とすることはできません。「バントすべきだ」と判断されたときにはそれなりの結果があり、「強打すべきだ」と判断されたときはそれなりの結果が出たのです。

 

 相関関係は必ずしも因果関係ではないのです。

 

 同じような誤りは無数にあります。ある調査からは、ジャンクフードを日常的に食べている人たちがジャンクフードをまるで食べない人たちに比べて健康で長生きというデータが出ました。このデータが統計的に有意だったとしたら、ジャンクフードを日常的に食べたなら健康で長生きになる、という結論が導けるでしょうか。

 

 もちろん答えはノーです。相関関係は因果関係ではありません。

 

 ところが、世の中には因果関係と相関関係とを混同したために広まって定着してしまった都市伝説がたくさんあります。

 

 「スポーツをすると健康で頑丈な身体になる」
 「いい大学を出るといい就職ができる」
 「美人は金持ちと結婚する」

 

 何が誤っているか考えてみてください。そして皆さんも自分で探してみてください。

 

 くれぐれも統計データに騙されないように注意してください。

 

 

(2012年1月6日号の原稿に加筆訂正しました。)

 

 

 

サンタフェ通信10月4日号より一部抜粋しています。

 


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