ひとの話を論理的にきちんと聞く | 田村洋一 | サンタフェ通信

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ひとの話を論理的にきちんと聞く

 

競技ディベートでは相手の話を正しく聴いていないとペナルティがすぐに来ます。負けという形で。

 

ディベートは基本的な傾聴の初歩的な訓練です。

 

ディベート道場では、最初の稽古として聞き取る、書き取る、というトレーニングを行っています。

 

いきなり議論するのではなく、相手の言っていることを聞く、書く、わかる、というトレーニング。

 

相手の言ってることを聞き取れず書き取れず理解もできないうちに勝手に自己主張を展開しても駄目。それではディベートにならない。

 

まず聞き取れることが大事なのです。

 

武術稽古の受け身のようなものです。

 

ディベートに習熟すれば相手の話をきちんと聞ける、という保証はありません。

 

「お前はディベートをやってるのだから他人の話をいつも正しく聞けてるのか」と聞かれても困ります。「お前は将棋をやってるのだからいつも戦略的思考ができてるのか」と聞かれてるようなのと同じ。

 

ただし、競技ディベートが相手の話を論理的に聞くための基本的なトレーニングになることは間違いのないことです。論理的に正しく聞き取らないと試合に勝てない。自ずときちんと聞き取ろうとします。

 

ディベートでは相手の感情はノーカウント。相手の言葉から議論を理解します。相手の議論が何を主張しているか、どんな理由で主張しているか、そしてその証拠は何か、を丁寧に聞き分けるのです。

 

日常会話は論理的な意味などくみかわさなくても、挨拶のように気持ちの交換さえやっておいたら適当に済みます。むしろ、ディベートのように「なぜ?」「どうして?」「それで?」などとやらないほうが角が立たずに済むのですから。

 

ディベートは決して万能薬じゃないし、万人向けの訓練でもない。

 

しかし本当に意味のある対話をしようと思ったら、初歩的な対論(ディベート)くらいはマスターした上で、ディベートを超えるダイアログを志すべきだと思っています。

 

ディベートをすっ飛ばしてダイアログするのでなく、ディベートを通り抜けて、議論を超える対話をするのです。

 

サンタフェ通信3月27日号より一部抜粋しています。


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