個の力と関係性の力 | 田村洋一 | サンタフェ通信

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個の力と関係性の力

 

友人たちが共同で関係性開発協会という社団法人を設立し、設立記念イベントに招かれて話をしました。

 

組織の中の関係性について話してほしいというので、最近の組織開発の現場で目撃していることや感じていることなどについて話しました。

 

「関係性はデザインできるんだ」というメッセージが提出されました。これは力強いメッセージです。

 

私が十数年続けているエグゼクティブコーチングにおいても、クライアントとコーチという約束と信頼に基づいた関係性があるからこそ類稀な成果を実現することができます。

 

もちろんこれはエグゼクティブコーチングに限った話ではありません。マッサージ師とマッサージ客との間の関係だってそうです。揉む人と揉まれる人との間に存在する信頼や約束によってこそマッサージは機能するのです。

 

しかし、関係性をマスターして実践するには、ここからが本題です。

 

大規模で複雑な組織開発の現場における「関係性」は、「デザインする」というような秩序を許してはくれないということを知っておくべきなのです。

 

複雑だからこそ約束や信頼が大切なのは言うまでもありません。

 

しかし関係性の目的について合意して協働しようと思ったら必ずしも物事が前に進まないのです。よく言われますが、総論に賛成でも各論に入った途端に四分五裂し始めるのが組織の現実です。

 

「複雑系ではデザインや合意ができないことが多く、全くコンセンサスなどありえない複雑さの真っ只中でコラボレーションしていかなきゃならないのだ」と思い至り、したがって「場の目的に即した実用的な合意形成が必要だ」という気づきがありました。

 

物事には表があれば裏があります。和をもって貴しとする日本文化において人間関係は命です。しかし空気に支配される言語文化においてはむしろ空気を読まない個の力こそが求められるのです。

 

もっと強い個を築く必要があります。デザインなどできない複雑な状況下での関係性を扱い、意味ある役割や価値を創発するためには、信頼を育む多様なコミュニケーションが必要なのです。もっと対話し、もっとディベートし、もっと考え、もっと感じる力が必要です。

 

いろいろな学びがありました。

 

人と人、人と組織の間に存在する「関係性」を探求し、「間柄」に潜む知恵に目覚め続けていくことの大切さを痛感しました。

 

サンタフェ通信4月17日号より一部抜粋しています。


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