自分本位のリーダーの必須科目 | 田村洋一 | サンタフェ通信

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いわゆる強いリーダーというものはほとんど例外なく自分本位です。

 

周囲に気を遣って右顧左眄するようでは強い指導力を発揮できません。決して空気に流されず、何があろうと自分自身の意思を曲げない。「鈍感力」とでも呼ぶべき一種の鈍さが特徴です。

 

繊細で敏感で他人の気持ちに影響を受けすぎるタイプの人は、どこかで自分の繊細さや敏感さを棚に上げて、揺るぎのない核となるものを見出す必要があります。弱いリーダーにとって、強いリーダーは良いお手本となりえます。

 

さて、一方で強すぎるリーダーシップは常にリスキーです。

 

私にエグゼクティブコーチングの依頼が来るケースの半数近く、何らかの形で「強すぎるリーダーシップ」による犠牲や歪みが懸念されています。

 

例えば社長が頭脳明晰で決断力や実行力に富んでいて、常に組織全体を強く率いてきた人物の場合があります。

 

決断も実行も頭脳も明らかにリーダーシップのパワーに違いありません。しかし、パワーがあまりにも強く発揮され続けているがために、組織が社長のリーダーシップに依存し、疲弊してきたのです。

 

自分本位のリーダーにとっては、周囲の意思を慮り、空気や状況に合わせてパワーを落とすことは、意外なほど難しいことがあります。強い指導力を発揮するのがあまりにも自然で、あまりにも容易なことなので、パワーをセーブすることを学んでこなかったという人もいるのです。

 

そうした強いリーダーにとって弱いリーダーは優れたお手本になりうるものです。

 

右顧左眄する。空気に流される。周囲の人を立てる。長いものに巻かれる。悩んだり、迷ったり、ぐずぐずしたりする。弱さと思われてきた資質こそ、強すぎるリーダーにとって学ぶべき必須科目となります。

 

組織の中では強いリーダーシップが求められることがあるのと同じように、弱いリーダーが活躍すべき状況も存在するのです。

 

弱いリーダーは必ずしも劣った存在ではありません。弱いリーダーが、いつも強いリーダーシップを目指す必要はないのです。

 

 

サンタフェ通信6月19日号より一部抜粋しています。


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